「一票の平等」を求めて

2022年2月5日 07時53分
 昨年十月に行われた衆院選での「一票の不平等」を巡る訴訟で、高裁判決が出始めました。これまで三つの判決では高松、大阪両高裁が「違憲状態」、東京高裁は「合憲」と異なった判断をしました。
 この衆院選では「一票の格差」が最大二・〇八倍と二倍を超えました。同じ有権者にもかかわらず、投じる票の価値に違いがあってはなりません。憲法が定める「法の下の平等」に反します。
 東京新聞は、三日付社説で「不平等の是正に最大限の努力が必要なのは当然だ」と訴えました。一票の価値を可能な限り同じにすべし、というのが一貫した主張です。
 読者からも「公平な衆院選を実施するために、選挙制度改革が必要だ。一票の重さを平等にしてほしい」との声が届きました。こうした意見は読者の多くが共有しているのではないでしょうか。
 二〇二〇年の国勢調査を受けて、衆院選小選挙区の定数配分に人口比を反映しやすい「アダムズ方式」を採用することが決まっています。この方式により議席を配分し直すのが「十増十減」案です。
 一部の自民党議員は、この案に反対しています。人口減が進む地域の議席が減り、地方の声が国政に届きにくくなる、という言い分です。
 しかし、この方式の採用は一票の格差を減らすため、自民党を含む国会自身が法律で決めたことです。地方は自民党の地盤とされますから、十増十減案に反旗を翻すのは、党利党略にも見えます。
 これまで議員定数が地方に手厚く配分されていながら、地方の状況は苦しさを増したわけですから、議員が多ければ地方の声が届くという論法には無理があります。
 国会議員は全国民の代表です。地方の声は、その地域から選ばれたか否かにかかわらず、すべての議員が耳を傾けるべきものです。
 高裁判決は三月九日までに出そろい、最高裁が統一判断を示します。司法判断に加えて、自民党に一票の不平等を解消する意思があるのか、見極めねばなりません。 (と)

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