オミクロン株拡大で自宅療養の妊婦が増加 埋まる専用病床<新型コロナ>

2022年2月6日 06時00分

新型コロナウイルスに感染した妊婦の対応にあたる医師(東京都立多摩総合医療センター提供)

 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の拡大に伴い、妊婦の感染者も急増している。感染妊婦の専用病床が埋まる病院も出る中、自宅療養する妊婦も多い。医療機関は、早期のワクチン接種や感染してしまった際の健康観察の徹底を呼び掛ける。(三宅千智、山口登史)

◆育児のため自宅療養を選択か

 出産前後の高度な医療を提供する「総合周産期母子医療センター」に指定されている東京都立多摩総合医療センター(府中市)。感染妊婦専用に陰圧の個室4部屋を備える。1月以降、新型コロナウイルスに感染して入院した妊婦はいずれも軽症だが、10人に上る。

新型コロナウイルス感染妊婦専用の陰圧個室(東京都立多摩総合医療センター提供)

 産婦人科の本多泉医長は「第5波までと比べて軽症者が多いという印象だが、感染者が増えれば入院を受け入れられなくなる可能性もある」と危機感を示す。
 都が医療関係者用にまとめた速報値によると、昨年11、12月は妊婦のコロナ感染者がそれぞれ5人だったが、1月は20日までに261人と大幅に増えた。うち入院は約25%の66人で、育児などの事情で自宅療養を選ぶ妊婦も多いとみられる。
 本多医長は、妊婦が感染すると重症化のリスクや、使える薬に制限もあるとして「ワクチン接種などで感染対策をしてほしい」と話した。

◆「呼吸数や心拍数の変化にも気を付けて」

 千葉大病院(千葉市中央区)では昨年10〜12月に新型コロナウイルスに感染し、専用病床に入院した妊婦は1人だけだったが、1月中旬から今月2日までの2週間余りで7人が利用し、2床ある病床は連日のように空きがない状況だ。同病院周産期母性科の生水真紀夫科長は「使命感で何とか毎日の診療に当たっている」と語る。

赤ちゃんの写真を撮影する助産師。母子で別々の部屋に入院している=千葉市中央区で

 千葉県のまとめによると、県内の感染妊婦は昨年10〜12月はいなかったが年明け以降に約80人(2日現在)と急増。大半が自宅療養という。
 昨年8月には柏市で感染した妊婦が入院できずに自宅で早産し、新生児が死亡する事案が発生。県は対策の一環として、自宅療養中の妊婦の状況や胎児の心拍数などを遠隔でモニタリングできる機器を県内の中核病院に配備。千葉大病院では現在、10台すべてを自宅療養中の妊婦に貸し出しているという。
 自宅療養をする妊婦に向け、日本産婦人科医会などは健康観察の注意点を公表している。呼吸状態や心拍数のほか、パルスオキシメーターで血中の酸素飽和度を計測し、異常があればかかりつけ医などに連絡することとしている。
 同医会の中井章人・日本医科大多摩永山病院長は「妊娠中の場合、血中の酸素飽和度が少しでも下がったら赤ちゃんに影響が出る可能性がある。呼吸数や心拍数の変化にも気を付けてほしい」と注意を促す。

◆自宅で療養する妊婦の体調管理のポイント

<かかりつけ医もしくは保健所に連絡>
①1時間に2回以上の息苦しさ
②トイレに行くときなどに息苦しい
③心拍数が1分間に110回以上、もしくは呼吸数が1分間に20回以上
④安静時の血中酸素飽和度が93〜94%から1時間以内に回復しない
<すぐに救急車を呼ぶ>
①息苦しく、短い言葉が話せない
②血中酸素飽和度が92%以下
※日本産婦人科医会ホームページより

関連キーワード


おすすめ情報

社会の新着

記事一覧