一家4人感染で自宅療養の本紙記者 病身での家事と育児で追いつめられる…<新型コロナ>

2022年2月6日 06時00分

東京都から送られてきた療養のしおりとパルスオキシメーター

 新型コロナウイルスのオミクロン株による流行「第6波」の拡大で、夫(37)と乳幼児2人の一家4人で東京都内に住む本紙記者(35)も1月中旬、家族全員が感染した。保健所に自宅療養を指示されたが、検査段階から行政には十分に対応してもらえず、症状に苦しみながらの家事や育児で精神的にも追いつめられた。政府は医療逼迫ひっぱくを理由に自宅療養を広く認める方針に転換したが、「自助」に頼りすぎる現状には不安も覚えた。

◆病院4カ所に電話したが断られる

 「喉がむずがゆい」。記者がせき込み始め、夫に39度の熱が出たのは1月15日午後。都のコロナ専用の相談窓口で発熱外来を案内されたが、徒歩や自転車では行けない距離だった。バスなど公共交通機関を使えば周囲に感染させる恐れがあり、診療終了時間も迫っていて断念した。
 近くの総合病院4カ所に電話したが「検査希望が殺到している」とどこも断られた。コロナ専用ではない医療相談窓口などにも電話したが、通話中や対応時間外でつながらなかった。インターネットで民間の往診サービスを何とか見つけてPCR検査を受け、家族全員の陽性が確定したのは3日後の18日夜だった。
 検査は感染予防、早期治療と並ぶ柱に位置付けられるが、昨夏の「第5波」では検査による早期発見と治療が徹底されず、自宅療養中に死亡する人が相次いだ。その後、政府は無料検査の拡充などの対策を進めてきたはずだったが、結果的に感染拡大への備えは不十分で、検査ができる場所を探すだけで一苦労だった。

◆託児先なく、疲労感が頂点に

 自宅療養が始まってから外部との接触は禁止。夫は熱が下がらず、記者も息苦しさや嗅覚異常に悩まされた。容体の急変に備えて感染者に対応できる託児サービスを探したが、受け入れ先は見つからなかった。
 症状悪化におびえつつ、長男(3つ)と長女(1つ)の授乳や食事の準備、入浴や寝かしつけなどに追われ、心身ともに限界だった。今は回復して職場復帰したが、10日間の療養を終えるころには疲労感が頂点に達した。

◆きめ細かい支援態勢の拡充を

 政府の基本的対処方針には自宅療養の場合、介護が必要なお年寄りや障害者、子どもがいる家族には自治体が必要な支援を行うと明記されている。児童相談所の仲介で子どもを病院が受け入れることなどが想定されていたが、患者の増加で困難になり、十分に機能していないのが現状だ。
 育児と自宅療養が両立できず、症状が悪化して病院に搬送された事例は国会で指摘されたが、こうした事態が起きる懸念は解消されていないように感じる。オミクロン株で家庭内感染が大きな問題となる今、育児や高齢者らの介護を担う療養者にとって頼りになる相談窓口の設置など、きめ細かい支援態勢の拡充が急がれる。

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