「デブリかは分からない」原子炉の底にでこぼことした堆積物 東電福島第一原発1号機の調査映像

2022年2月9日 18時44分
 東京電力は9日、福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)の1号機原子炉格納容器の内部調査で水中ロボットが撮影した容器底部の映像を公開した。映像からは、オレンジ色っぽいでこぼことした堆積物が広がり、容器内の構造物に付着しているのが確認できた。事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)の可能性がある。高原憲一広報担当は記者会見で「現段階ではデブリかは分からない」と話した。

1号機原子炉格納容器底部の映像からは、中央下から右側にでこぼこした堆積物が広がっていることが確認できた=東京電力福島第一原発で(国際廃炉研究開発機構、日立GEニュークリア・エナジー提供)

 東電によると、確認できた堆積物がどれくらいの高さかは不明。2017年3月の調査では、この場所の近くで高さ90センチの堆積物が確認されている。今後、五種類のロボットを順次投入し、格納容器内の撮影やセンサーでデブリの有無を調べる計画だが、次のロボット投入の時期は未定。

1号機原子炉格納容器底部には、ロボット投入のために切り落とした配管の一部が沈んでいた(国際廃炉研究開発機構、日立GEニュークリア・エナジー提供)

 8日午後に投入した水中ロボットは9日午後1時50分ごろまでに、格納容器内にたまる水の中を移動し、直径30センチの輪っか(ガイドリング)4個を容器内の構造物に間隔を空けて取り付けた。これは今後使うロボットが移動する際、ケーブルが構造物に絡むのを防ぐためで、ようやく本格的な調査の準備が整った。

1号機原子炉格納容器内で、水中ロボットは構造物に輪っかを取り付けながら、その中を進んだ(国際廃炉研究開発機構、日立GEニュークリア・エナジー提供)


1号機原子炉格納容器内の水面に、油のような浮遊物が確認された。中央で黄色く光っているのは明かりに照らされた配管(国際廃炉研究開発機構、日立GEニュークリア・エナジー提供)

 水中の放射線量は毎時1~2シーベルトだった。原発の作業員の被ばく限度は1年間で50ミリシーベルトとされており、仮に水中に入った場合でもわずか1~3分程度で被ばく限度に達するため、人が近づくことはできない。

ロボットを入れるため、1号機原子炉格納容器に通じる弁を開ける作業員(国際廃炉研究開発機構、日立GEニュークリア・エナジー提供)


1号機原子炉格納容器の外で水中ロボットを投入する作業員たち(国際廃炉研究開発機構、日立GEニュークリア・エナジー提供)

 11年3月の事故でメルトダウン(炉心溶融)した1~3号機のうち、これまでの調査で2、3号機ではデブリとみられる堆積物を映像で確認している。1号機は17年の調査ではデブリを確認できなかった。
 デブリ取り出しは最難関の作業で、1~3号機に総量880トンが溶け落ちたと推計されている。東電は年内に2号機で数グラムずつの採取を目指している。(小川慎一、小野沢健太)

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