02月10日「レフトの日」に考えよう コーンフレーク、デスクライト…左利きの人たちに配慮したグッズ続々

2022年2月10日 06時35分
 右利きの人は想像してみよう。左右が逆になった世界のことを。不平等解消を目指す「SDGs(国連の持続可能な開発目標)」の浸透で、少数派の左利きの人たちの暮らしに配慮した商品が増えている。二月十日は「レフトの日」。背景について考える。
 左利きのことも考えてくれてありがとう−。コーンフレークの人気商品「シスコーンBIG」への感謝の言葉がSNS上にあふれている。商品の袋には、手でつかむ場所に印がされ「みぎききの人はあかを両手で持って」「ひだりききの人は、あおを」と説明が書いてある。この通りにすれば、お皿にフレークを注ぎやすい。

袋の裏に持ち方の説明あるよ

 二〇一八年発売の商品だが、昨年ごろから、パッケージのことがネット上で話題を集めるようになった。
 製造する日清シスコマーケティング部の風野(かぜの)亜希子さん(37)は「注ぎやすい傾け方を何度もテストした。左右どちらの利き手でもお子さまが朝食をつくる成功体験をしてもらいたいと企画した」と振り返る。

ライト どちら向きでもOK=アイリスオーヤマ提供

 生活用品大手のアイリスオーヤマは二〇年、土台から外して付け替えれば、左右どちら向きにもできるLEDデスクライトを発売した。広報担当者は「右利き用の製品が多く、左利きの人が不便を感じているという調査結果がありました」。
 左利きの人が、きれいな字を書けるようになりたいと思ったときも頭が痛い。市販のペン字練習帳はほとんど右利き用。お手本の文字が左に書いてある。左利きの人が使うと腕で、お手本が隠れてしまう。
 そこで「日本ペン習字研究会(日ペン)」を運営する学文社が、左利き用の教材を開発した。お手本の文字が右側にあり、左利きでも隠れない。

商品について説明する「菊屋浦上商事」の浦上裕生社長。左利き専用グッズ100種類を販売する=相模原市中央区で

 文房具から台所用品まで左利き向けグッズをずらりとそろえる、相模原市の文具店「菊屋浦上商事」の浦上裕生社長(46)は五年前からメーカーに左利きに配慮した商品を作ってほしいと訴えてきた。二月十日の「0(れ)2(ふ)10(と)」の日をPRしてきた人だ。「左利きを意識した商品は五年ほど前の四〜五倍に増えた」と意識の変化を感じる。

医療従事者用はさみも販売=同店提供

 浦上さんは「SNSで左利きの人たちが日常生活の苦労を発信しやすくなった。共感し『いいね』となれば話題になりやすい」。さらに要因に挙げるのがSDGs。「マイノリティー(少数派)の市場が生まれた。メーカーも売れ筋の商品を大量販売するよりも、いろいろな人に向けた多様な商品を出すようになったと感じる」

左利きの人向けの教材も開発し、受講生を募っている学文社のホームページ

 学校での講演で、浦上さんは子どもたちに「右左どちらの手で握手する?」と問い掛ける。左利きの人は全人口の約一割といわれている。クラスに一人か二人はいる。身近な少数派に目を向けてもらいたいと願う。
 「世の中の不便さをなくすことで、だれもがもっと勉強や工作の楽しさを知ったりアイデアが自由に出たりする環境が整えばいい。知らないところで不便さを感じている人がいるとの気付きにつながれば」
 文と写真・井上靖史
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