「緊急時に」「止血にも」アベノマスク、群馬県内3自治体が希望

2022年2月10日 07時51分

政府が配布した「アベノマスク」=前橋市で

 国が新型コロナウイルス感染対策で調達したが、大量に在庫を抱える布製の「アベノマスク」を巡り、群馬県内の自治体では桐生市と玉村町、上野村が計二万六千五百枚を備蓄用に厚生労働省へ引き受けを申請したことが、本紙の取材で分かった。国には約八千万枚の在庫があり、厚労省は全国の団体や個人から希望を募っていた。送料は全在庫分で約十億円の国費がかかるとの見方もある。(池田知之)
 本紙は県内の全三十五市町村を取材。希望したのは、桐生市が二万枚、上野村が五千枚、玉村町が千五百枚。希望する理由について、桐生市は「災害発生時、避難所で緊急的に使うことなどを想定した」、上野村と玉村町は「いざというときの備え」とした。
 布マスクは不織布マスクと比較して感染防止効果が低いため、国や県は利用を推奨していない。桐生市の担当者は「布でも使えば、何もしない場合より効果がある」、玉村町の担当者は「布製なので止血にも使える」と説明している。
 一方、申請しなかった太田市の清水聖義市長は、昨年十二月十六日時点のツイッターで「災害備蓄や市民配布は『適切な品質』といわれる不織布マスクならいただく」とし、布マスクは不要との見方を示した。富岡市の担当者も「不織布が望ましい。あえて布製は希望しなかった」と明かす。
 アベノマスクは二〇二〇年、当時の安倍晋三首相の主導で用意したが、あまり使われずに行き場を失い、東京近郊の倉庫で約八千万枚が残り、保管費は昨年三月までに約六億円。国は昨年末、希望する団体や個人に配布すると決めた。送料は約十億円との試算もあるとされるが、配らず焼却処分すれば約六千万円で済むという。
 厚労省は昨年末から一月末に募り、全国から約三十七万件、推計二億八千万枚以上の申請があった。配布枚数などを精査し、三月上旬から希望者へ送る予定。

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