社説掲載を絶やさぬため

2022年2月12日 07時09分
 新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。政府は十三都県に適用しているまん延防止等重点措置の期限を三月六日まで三週間延ばし、高知県にも追加適用しました。二十日が期限の二十一道府県などについても延長するか否か近く判断するそうです。
 論説室の議論では、人の移動が多くなる年度替わり前に感染を抑え込む必要があり、重点措置延長はやむを得ないとする一方、ワクチン追加接種の遅れや濃厚接触者の待機期間変更など、政府の混乱を指摘する意見も出ました。
 十一日付社説「高齢者らを守るために」は、こうした議論を反映したものです。
 論説室でも、新型コロナ陽性者や濃厚接触者、陰性でしたが発熱で自宅待機を余儀なくされる論説委員が出始め、オミクロン株が迫りつつあることを実感します。そうした厳しい状況で社説掲載をどう続けるかが、論説室の当面の重要課題になっています。
 お気付きの読者もいらっしゃると思いますが、東京新聞一面左上、ページ表示の右側に番号があります。私たちは「紙齢(しれい)」と呼んでいます。
 きょう十二日は「28434号」。東京新聞は一九四二(昭和十七)年十月一日、それまでの国民新聞と都新聞が統合して発刊され、この日が第一号ですから、それ以降、三万号近い紙齢を刻んできたことになります。
 重大ニュース発生時に発行する号外には紙齢を付けません(だから号外と呼びます)し、社説の掲載もないので紙齢は社説の歴史にそのまま重なります。ですから新聞が発行される限り、論説委員が議論し、社説を書き続けることが論説室の使命なのです。
 本欄では以前、一昨年の感染拡大後、論説室の風景が一変したことを紹介しました。
 コロナ禍前は東京、名古屋の両方にある論説室にそれぞれの論説委員が集まり社説の内容などを議論していましたが、感染拡大後は密集を避けるため、携帯電話を使った会議に切り替えたのです。
 こうした態勢は今も続き、日常の風景になりました。全員が集まることはなくなり、何となく寂しい感じはしますが、携帯電話を使った会議は以前にも増して活発になっています。読者の皆さんには、そうした議論の息吹を、日々の社説から読み取っていただければ幸いです。 (と)

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