なるか夢の全八冠制覇…藤井最年少五冠に待ち受ける険しい道とは

2022年2月12日 19時46分
 昨秋の竜王獲得で現役棋士の序列1位になった藤井聡太五冠は、防衛戦も含め、7度のタイトル戦をいずれも制しており、番勝負では負け知らずだ。夢の全八冠の制覇もいよいよ現実味を帯びてきた。
 全冠制覇は、現役棋士では羽生善治九段(51)だけが達成している。1996年、25歳で当時の全七冠を独占した。藤井五冠に残されたタイトルは名人、王座、棋王の3つ。ここまで羽生九段より冠を重ねるペースは早いが、挑戦権を得るまでには、一つ負ければ即敗退のトーナメント戦もあり、そう簡単ではない。
 タイトル獲得通算64期と、将棋界に一時代を築いた中原誠十六世名人(74)は78年、全六冠(当時)制覇まであと一つに迫った。だが六冠目の棋王戦はストレートで敗れた。中原さんは「まだ30歳だったので今後も機会があると思い、重圧はなかった」と明かすが、その後、二度とチャンスは訪れなかった。
 影響が大きかったのは、記録へのプレッシャーより、重要対局が過密日程で続くことによる「心身の疲労」という。中原さんは、若い頃は気分転換が得意でなかったと振り返る。
 藤井五冠にも当然、ファンの期待が重圧としてのしかかる。「いいコンディションでいい将棋を指すのが何より重要だ。周囲は騒ぐが、マイペースを貫いて」とエールを送る。
 羽生九段の偉業は当時、空前絶後と言われた。当時より多い全八冠の達成は、運も味方につける神懸かり的な強さが求められそうだ。(岡村淳司)

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