税金475億円投入したのに…マイナンバー関連システムの自治体利用が低迷 運用開始から3年で想定の41%止まり

2022年2月13日 09時00分
 発注後に29回の契約変更が繰り返されていたマイナンバーの関連システムの年間利用率が運用開始から3年たった2020年度でも、想定の約41%にとどまっていたことが分かった。関連システムには、20年度末までに475億円の税金が投じられている。マイナンバー政策における費用対効果が問われそうだ。 (デジタル政策取材班)
 デジタル庁やシステムを運用する「地方公共団体情報システム機構」への取材で判明した。このシステムは、全国の自治体のシステムとマイナンバーのネットワークをつなぐ「自治体中間サーバー」。各自治体がばらばらに管理する個人情報をネットワーク上で相互利用する情報連携は17年7月に試行され、4カ月後から本格的に始まった。機構によると、所得や税控除額、世帯主の続柄などの確認に使われることが多いという。
 機構はサーバーの年間の利用を3億2000万件と想定しているが、当初から思うように利用が進まなかった。15年に日本年金機構から125万件の個人情報が流出した問題を受け、年金業務の情報連携は遅れた。国は「年金の連携が始まれば利用は進む」(政府幹部)と説明していた。
 19年4月から年金業務の情報連携が段階的に始まっても、19年度のサーバー利用率は15.2%。20年度は41.3%、21年度は12月末時点で41.5%と上昇傾向にあるものの、依然、想定と開きがある。
 機構やデジタル庁によると、サーバーには20年度末までに、ソフトウエアの開発に15億円、ハードウエアの整備やサーバーの運用に460億円が支出済み。サーバーの維持には毎年、人件費を含め50億円前後の経費がかかる。
 サーバー以外にも情報連携のネットワーク全体で見ると、全国の自治体のシステム整備に対し、総務省から14、15年度の2年間で計180億円の補助金が支出されている。
 政府は、情報連携が始まれば、児童手当や税金の減免手続きなどで役所への申請書類が減り、国民の利便性が高まるとともに、自治体の事務処理も軽減されると効果を訴えてきた。
 機構は、サーバーの利用が想定を大きく下回っていることについて「想定は国が示したデータから試算したもので、機構では見解を持ち合わせていない」と回答。サーバーの費用対効果には「われわれはシステム運用者であり、政策効果をコメントする立場にない」と明言を避けた。

関連キーワード


おすすめ情報