オミクロン株で高齢者が重症化 肺炎悪化、都内の病床逼迫の懸念<新型コロナ>

2022年2月14日 22時15分
 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」に高齢者が感染し、重症化しにくいとされてきた肺炎の悪化で重篤となるケースが東京都内で出てきている。都内の新規感染者数は8日をピークに減少に転じているが、高齢者を取り巻く状況は厳しいままだ。専門家は「重症者数は減る見通しが立たない」と、病床の逼迫を警戒している。(加藤健太)

◆30%に迫る重症者向け病床使用率

東京都府中市の都立多摩総合医療センターで、コロナ患者の容体を話し合う防護服姿の医師や看護師(同センター提供)

 「風邪の症状で収まらない人が現れ始めた」。府中市の都立多摩総合医療センターでコロナ病棟の責任者を務める西田賢司医師は、患者の病状の変化を指摘する。コロナ患者用の病床は245床と多摩地域で最も多く、このうち重症者用の21床は13日時点で43%が埋まっている。
 昨年末から流行するオミクロン株は、コロナによる肺炎が軽症でも、持病などの疾患が悪くなって重症化する患者が目立ってきた。だが、西田医師は「2月初めごろから肺炎が重症化する高齢者も見られるようになった」と話す。感染する高齢者が増えたことでそうした重症患者が一定数出てきているとみている。
 都内の重症者数は増加が続いている。人工呼吸器や人工心肺装置「エクモ(ECMO)」をつけた患者を数える従来の都基準による重症者数は14日時点で70人で、今月1日から42人増加した。基礎疾患が悪化するオミクロン株の特性を踏まえ、集中治療室(ICU)などに入っている人も数える都の新基準による重症者病床使用率は29.2%(219人)まで上昇。緊急事態宣言を国に要請する目安の一つとする30~40%が近づく。

◆「(第6波の)ピークアウトがゴールではない」

 高齢者は重症化リスクが高く、入院が長期化しやすい。都内の感染状況を分析する10日のモニタリング会議後、都医師会の猪口正孝副会長は取材に「重症用病床はどんどん積み上がっている状況だ。もう2週間先までは増えるだろう」と病床の逼迫を懸念した。
 一方、1週間あたりの新規感染者は8日の約1万8500人をピークに増加が止まっている。感染リスクが高まる夜間の繁華街の人口は、1月21日にまん延防止等重点措置が出された直前と比べて約25%減っており、増加率が抑えられている一因とみられる。
 都医学総合研究所の西田淳志・社会健康医学研究センター長は「(第6波の)ピークアウトがゴールではない」と強調し、感染拡大のさらなる長期化を避けるため、感染リスクが高い行動を控えるよう呼び掛けている。

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