真・東京03探検隊「観測技術や台風発生の仕組みなど。気象のフシギを大解剖!」(気象科学館・後編)

2022年2月23日 10時00分

お笑いトリオ“東京03”が、大人の好奇心を満たすディープな世界に飛び込む!

お笑いトリオ「東京03」のメンバーが、これまで知らなかった未知なる世界に足を踏み入れ、さまざまな新発見と出合う人気の連載。
考古学、芸術、科学、サブカルなど、あらゆる分野に触れて見聞を広め、“デキる大人”としてのたしなみを磨きます!
 自然災害の多い島国・日本で暮らす私たちにとって、気象に関する情報は欠かせないもの。集中豪雨や台風、地震などのニュースを目にすることも珍しくありません。そんなときに“どのように観測しているのだろう?“そもそも自然災害はどうして発生するのだろう?”といった、素朴な疑問が頭に浮かんだことはありませんか? 観測と気象のメカニズム。そのどちらも楽しく学べる施設が気象庁の建物内にあるということで、探検隊の3人が潜入してきました!
今回はその後編です。
前編はこちら

津波、噴火、台風はなぜ起きる? どうやって予測する?

ここまでは主に、天気の観測について学んだ3人。続いては、自然災害のメカニズムを見ていきましょう。
こちらは津波と波浪の動きを模擬的に発生させる、津波シミュレーター。

佐藤さん

佐藤さん

「 “津波”はみなさんご存知かと思いますが、“波浪”はいかがでしょう?」

豊本隊員

豊本隊員

あー、ニュースでよく聞きますね。“波浪警報”とか」


飯塚隊員

飯塚隊員

「でも、いまいち知らないかも」

佐藤さん

佐藤さん

「ざっくり言うと、波浪は風などの影響によって海の表面のみが動いて起きる波」


角田隊員

角田隊員

「はいはい」


佐藤さん

佐藤さん

「津波は地震によって海底がはね上がり、海面まで海全体が動くことで発生します。ですので、波浪と津波では、発生の仕組みから根本的に違うんです」


では実際にシミュレーターで、動きの違いを見てみましょう。
スイッチを押すと、波浪、津波、大津波の順に波が発生します。
飯塚隊員

飯塚隊員

「ほんとだー。波浪だと海面は波が起きてるけど、水中はほとんど動きがないね」


こちらは大津波の動き。水槽の水全体が大きくうねることで生まれた波が、民家のジオラマに襲いかかります。

佐藤さん

佐藤さん

「どうでしょう? 一目で違いが分かりますよね?」

角田隊員

角田隊員

「うん。津波は水槽の底からグワッ! て上がっていく感じだ」


「大きな津波が迫ってくる怖さは、この穴を覗いてみるとより分かると思います」と佐藤さん。
飯塚隊員

飯塚隊員

「おーおーおーおー! こっわ! 威力というかエネルギーは、やっぱり津波のほうがケタ違いだわ! スピードも断然速い」

佐藤さん

佐藤さん

「そうですね、海全体の動きなので。一言に“○○メートルの波”といっても波浪と津波とでは大きく異なる、ということを知ってもらえれば。かといって波浪は危なくないのかというと、もちろんそんなことはまったくないんですけど」


角田隊員

角田隊員

「スイッチひとつで津波を起こすなんて…。恐ろしい装置(笑)」


ここで、素朴な疑問をぶつける飯塚隊員
飯塚隊員

飯塚隊員

「地震は完全には予測できないんですよね? じゃあ、津波も地震が起きてから規模を計算するってこと?」

佐藤さん

佐藤さん

「いえ、それでは警報が間に合いません。そのため、スーパーコンピュータで計算したデータを何十万個も蓄積しておいて、地震発生時に一番近しい情報をデータベースから持ってくるということが必要です」


豊本隊員

豊本隊員

「なるほどねー。スピードが大事なんだ」


世界有数の火山国である日本。気象庁は活火山の動きにも日夜、目を光らせ続けています。
佐藤さん

佐藤さん

「こちらでは噴火について、火山断面の模型や映像を用いて解説しています。みなさん、火山にはあまりなじみがないのではないでしょうか?」

飯塚隊員

飯塚隊員

「そうっすねー。身近に感じることはあまりないですね」


噴火も地震と同じで、プレートの動きが影響しているのだとか。
大陸プレートの下に海洋プレートが沈み込むと、水の働きによって地殻下のマントルが融け、マグマが形成されます。そのマグマが上昇して大陸プレートの浅い部分に溜まったものが“マグマだまり”。そこからさらに上昇し、開いた火口でドカーン!といった仕組みです。

佐藤さん

佐藤さん

「こちらもクイズ形式になっているので、回答してみてください」

飯塚隊員

飯塚隊員

「だって、角田さん」

角田隊員

角田隊員

「どれどれ。任しときなさいよ!」

はい、不正解です。

角田隊員

角田隊員

「あっ…」


飯塚隊員

飯塚隊員

「思ってた以上に、早々と間違えましたね(笑)」

角田隊員

角田隊員

「だめだ。俺では、地球は守れないわ(笑)」


さらにスクリーンには、火山観測の様子も映し出されます。

佐藤さん

佐藤さん

「火山の活動は地球の奥底で起きている現象なので、今も観測技術の発展に取り組んでいます。観測機器で噴火を察知できることもあれば、目で映像を見て分かることもあったり」


豊本隊員

豊本隊員

「でも、観測している人も怖いよね。マグマが上がってきているのがリアルタイムで分かるわけだから」


佐藤さん

佐藤さん

「その動きを見逃さないよう、24時間365日つきっきりで観測しています」

飯塚隊員

飯塚隊員

「そうですよね、見てない間になにかあったらマズイですもんね。プレッシャーがえぐい…」


角田隊員

角田隊員

「みなさん、ちゃんと休めてます? 365日連勤ですか?」


飯塚隊員

飯塚隊員

「いや、一人でぶっ通しなわけないだろ(笑)」


さらに館内にはこんな装置も!
ミニチュアの竜巻と台風を作り出し、そのメカニズムを観察できます。

飯塚隊員

飯塚隊員

「おーー、すげー!! 竜巻だ!!」

豊本隊員

豊本隊員

「津波の次は、竜巻まで…」

飯塚隊員

飯塚隊員

「どういう仕組みで竜巻は起きるんですかね?」

佐藤さん

佐藤さん

「積乱雲に伴う上昇気流によって、大気が巻き上げられることで発生します。なので竜巻の上には大体大きな積乱雲があるんですよ」


豊本隊員

豊本隊員

「最近、日本でも竜巻のニュースを聞きますよね。増えてるってこと?」


佐藤さん

佐藤さん

「いえ、竜巻はすごく局所的なものなので正確な数は分からないんです。発生しても誰にも知られずにヒュッて消えちゃったりもするので」

角田隊員

角田隊員

「データが取りづらいんだ。じゃあ、発見できたらラッキーてことだ」


飯塚隊員

飯塚隊員

「うーん、それはなんか違う気がする(笑)」


そしてこちらは台風。竜巻と違い、煙が広範囲にグルグルと回っています。
佐藤さん

佐藤さん

「局所的な竜巻に対して、すごく規模が大きいのが台風。そもそも誕生の仕方から違いまして、台風はあたたかい水蒸気がある海の上で発生します。そして水蒸気をエサにしてどんどん勢力を増して巨大になっていく。陸に上がるとエサがなくなるので、だんだん弱まっていくという…」


角田隊員

角田隊員

「おー、すごく、とっても、分かりやすい」


竜巻は局所的な現象なので予測は難しい。では、台風の発生はどのように予測しているので
しょう?
職員の方が見せてくれたのは1枚の写真。
佐藤さん

佐藤さん

「これは気象防災オペレーションルーム。このフロアに、台風をずっと観察している人がいます」


飯塚隊員

飯塚隊員

「ん? どういうこと?」

佐藤さん

佐藤さん

「いわゆる“台風の卵”に注目している人たちのことですね。“雲の形がはっきりしてきたので台風になりそうだな”、とか“上空の風の様子や周りの海の温かさから大きく育ちそうだな”とか」


豊本隊員

豊本隊員

「え、そんなこと分かるものなの?」

佐藤さん

佐藤さん

「長年の経験がないと難しいかと。若い頃から天気図を書いて予報を出して、10年、20年、30年とキャリアを積んで“天気の人”になっていく。そういう人でないと、やっぱり予報の精度は落ちてしまうんです」


飯塚隊員

飯塚隊員

「へー、かっこいい! まさに職人ですね」

佐藤さん

佐藤さん

「お話は以上になりますが、いかがでしたか?」

角田隊員

角田隊員

「でもあれですね、災害が起きてもまずここは絶対に崩れちゃダメですよね」

唐突に鋭いことをいう角田隊員。

佐藤さん

佐藤さん


「その通りです。建物が頑丈であることはもちろんですが、地震火山部では、まったく同じ仕事をするブースを東京と大阪の2カ所置いています。情報を出す際は、どちらかが本番、どちらかが練習という感じで」


豊本隊員

豊本隊員

「なるほど! 緊急事態でも必ず片方からは情報が出せるということか」

佐藤さん

佐藤さん

「大雨、津波、火山などの予報や警報は、多くの人にとってあまり実感のないものだと思います。自然災害について詳しく知ることで、気象庁が日々発信している情報の目的と効果についても理解を深めてもらえるとうれしいですね」


飯塚隊員

飯塚隊員

「いやー、まさに地球防衛軍ですね(笑)」

角田隊員

角田隊員

「いつもありがとうございますっ! ご苦労様ですっ!」

見学はこれにて終了!!
気象に関するさまざまなフシギについて学び、また一歩、“できる大人”への階段を上った3人。自然災害は人がコントロールできるものではないことを改めて実感しましたが、それを予測し、人々の命を守る現代の観測技術もすばらしいものですね。3人にはその感謝の気持ちを忘れずに、日々を過ごしていただきたいものです。
丁寧に教えてくださった佐藤さん、気象庁のみなさん、ご協力ありがとうございました!

読者プレゼントのお知らせ

今回取材で訪れた気象科学館で販売している「はれるん」のぬいぐるみを東京03のサイン入りでプレゼントいたします。
応募方法は、東京新聞ほっとWebオフィシャルTwitterにて、お知らせいたします。ご応募お待ちしております!
東京新聞ほっとWeb公式Twitterはこちら
<締切>2022年3月8日
当選者にはダイレクトメッセージでご連絡いたします。
取材協力/気象科学館
令和2年にリニューアルオープンした、気象庁が運営する科学館。大雨、台風、津波、噴火といった日本で発生率の高いさまざまな自然災害について、クイズや津波シミュレーターなどのユニークな展示を通して学ぶことができる。観測技術をはじめ、気象庁の主な業務も紹介。事前に予約すれば、気象庁の人々が働く現場も見学できる。
DATA
住所/東京都港区虎ノ門3-6-9
料金/無料
TEL/03-6758-3900(気象庁総務部総務課広報室)
営業時間/9:00~20:00
定休日/第2月曜休
※新型コロナウィルス感染症の影響で、掲載したお店や施設の臨時休業および、営業時間などが変更になる場合がございます。事前にご確認ください。
◆◆◆

今回の取材の裏側をこちらの動画でご覧いただけます。これからも「真・東京03探検隊」取材の様子をご覧になりたい方は、ぜひYouTube『東京新聞チャンネル』に登録お願いします。

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