GDP年率5.4%増、2四半期ぶりプラス成長 2021年10~12月期速報値

2022年2月15日 11時26分
内閣府

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 内閣府が15日発表した2021年10〜12月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比1.3%増だった。このペースが1年続くと仮定した年率換算では5.4%増で、2四半期ぶりのプラス成長となった。新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が同年9月末に全面解除され、個人消費が回復した。
 同時に発表した21年通年の実質GDPは前年比1.7%増と、3年ぶりのプラス成長となった。
 21年10〜12月期を項目別に見ると、GDPの半分以上を占める個人消費が前期比2.7%増と2四半期ぶりのプラス。緊急事態宣言の解除を受け、外食や宿泊などの対人接触型サービスが回復したことや、部品供給が滞って落ち込んでいた自動車などの生産が持ち直したことが寄与した。
 企業の設備投資も0.4%増と2四半期ぶりにプラスに転じた。輸出は1.0%増で、半導体製造装置などの増加がけん引した。
 景気実感に近いとされる名目GDPは0.5%増、年率換算では2.0%増だった。
 実質GDPの実額(年換算)は541兆円で、コロナ前の19年10〜12月期の542兆円に届かなかった。政府は昨年7月に示した試算で、GDPが21年中にコロナ前の水準まで回復すると見込んでいたが、22年3月までへと先延ばししている。(原田晋也)

◆オミクロン株の影響で1〜3月期は大幅な下振れのおそれ

 <解説>2021年10〜12月期の国内総生産(GDP)が2四半期ぶりにプラス成長に転じたのは、東京都などで出されていた新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が同年9月末に解除され、個人消費が回復したためだ。
 だが足元の状況は一変している。年明けから新型コロナウイルスのオミクロン株の感染が急拡大。まん延防止等重点措置の広がりとともに、消費が再び落ち込みを見せている。営業を休止した飲食店も目立つ。22年1〜3月期の成長率は、民間エコノミストの間で大幅な下振れが予測されており、マイナス成長に転じる可能性もある。
 さらに懸念されるのが値上げの広がりだ。日銀が10日発表した1月の企業物価指数は前年同月比8.6%上昇した。原油や小麦といった原材料の価格高騰で、消費者にとって節約が難しい生活必需品にも、じわじわと値上げが及んでいる。
 感染拡大の影響による世界的な半導体不足も追い打ちをかける。生産現場の従業員の感染が増えて工場の稼働が停止し、国内外で部品調達が滞るケースが頻発。給湯器などの住宅設備機器や家電、自動車など幅広い製品の生産量が落ち込んでいる。コロナ前水準への本格回復の道のりはまだ見通せない。(坂田奈央)

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