第18回 新聞切り抜き作品コンクール <講評>記事を正確に理解 力作ぞろい 神部秀一

2022年2月15日 15時00分
 コロナ禍での作品作りは困難を極めたことでしょう。しかし困難な環境がかえって情熱と集中を高めたのでしょうか、本当に力作ぞろいでした。新聞を読み続けてこそ得られるこの確かな学びの価値を、参加した子どもたちは実感したはずです。
 扱われたテーマは、コロナ禍であらわになったさまざまな課題をはじめ、東京五輪・パラリンピック、SDGs、ジェンダー問題、自然災害…。国内だけでなく、ミャンマーやアフガニスタン、香港に視野を広げた作品もありました。
 それぞれ独自の価値を持つ素晴らしい作品に仕上がっており、審査で優劣を付けるのは今回も大変な作業でした。
 小学生の最優秀に選ばれたのは東京都世田谷区立中町小四年、日野夏希(なつき)さんの「チャレンジは無限大 障害を乗り越えて」。パラリンピックで受けた感動から障害のある人々について調べ始めました。記事に添えられたコメントがよく考えられていて、内容的価値の高い作品といえます。
 中学生の最優秀は、東京学芸大付属世田谷中学校二年、遠藤真里奈さんの「なくそう生きづらさ」。東京オリ・パラの大会ビジョン「多様性と調和」に関心をもち、マイノリティーをめぐる記事を集めました。紙面構成の見事な作品となっています。
 高校生の最優秀は、香蘭女学校高等科二年、舘(たて)葵さん、柴崎結菜(ゆいな)さんの「それ、本当に他人事? コロナ禍 女性と若者の貧困」。コロナ禍で女性と若者が抱える問題に迫りました。問題を自分たちに引き寄せて考えているところに価値があります。
 今回の作品群は、総じてコメントの質と量とが充実していました。記事を正確に理解し、じっくり考えた結果が反映されているといえましょう。自宅にいても新聞で社会と繋(つな)がり、考えを深めていったことがよく分かります。 (東京新聞NIEコーディネーター)

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