ワクチン3回目接種「月内ほぼ完了」は絶望的 1日100万回ペースでも計画の半数達せず

2022年2月16日 06時00分
 新型コロナウイルスのオミクロン株の流行で、感染拡大を抑えるための高齢者らへのワクチン3回目接種が遅れている。政府は2月中にほとんどの自治体で、2回目から6カ月たった高齢者に打ち終えると踏んでいたが、現段階で半数にも達していない。政府は1日100万回の接種目標を掲げて地方自治体をせかすが、現場からはワクチンや接種券が届いていないとの声も上がる。(曽田晋太郎)

◆首相「110万回になった」と進展を強調するが…

 岸田文雄首相は15日の政府与党連絡会議で、ワクチン接種記録システム(VRS)に入力される1日当たりの回数が直近で「約110万回になった」と言及。この回数は公表日別で、遅れて入力された分も含むが「接種のペースは着実に加速している」と述べた。
 首相は接種の進展を強調するが、思い通りに進んでいないのが実情だ。政府の計画によると、2月末までの対象者は医療従事者(576万人)や高齢者(2893万人)ら計3752万人。市区町村の97.4%が高齢者らへの接種は完了すると政府に回答しているが、15日時点で打ち終えたのは計1303万人にとどまる。
 期間内に残る全員への接種を終えるには1日100万回では足りず、170万回余りまで引き上げる必要がある。14日の衆院予算委員会では、立憲民主党の長妻昭氏が2月末までの接種が見込まれる人数を質問したが、後藤茂之厚生労働相は明言を避けた。

◆自治体「熱量持って対応を」と注文

 全国老人福祉施設協議会などが今月上旬、全国約5800カ所の高齢者施設を対象にした調査では、接種が進まない理由として、最も多いのが「ワクチンが今後届く」の27.1%。次いで「接種券がそろってから対応」の24.4%だった。
 堀内詔子ワクチン接種推進担当相は自治体関係者と相次いで会談し、「接種券なしで打っている神戸市の例もある」などと柔軟な対応を求めたが、横浜市の山中竹春市長は「国にもさらなる加速化に向けて熱量を持って対応してほしい」と逆に注文を付けた。

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