「足利銘仙」ブランド登録 地域団体商標で活性化に期待 「天明鋳物」は審査中

2022年2月16日 07時13分

復刻された足利銘仙のスカーフ(足利商工会議所提供)

 地域と商品の名前を組み合わせて商標化し、ブランドを保護する「地域団体商標」に、足利市の伝統織物「足利銘仙」が登録された。隣接の佐野市も伝統工芸品「天明(てんみょう)鋳物」の出願を昨年末に済ませており、早ければ二〇二二年度中の登録が期待される。(梅村武史)
 足利銘仙の出願者は足利商工会議所と県染色工業協同組合。同組合の鶴貝雅広理事長(71)は「本物にこだわって取り組んできたことが認められた。世界が注目する足利銘仙に育てたい」と喜びを語った。
 大正から昭和初期にかけて盛んに作られた足利銘仙は、モダンな図柄と色合いを特徴とした着物。仮織りした経糸(たていと)に柄をプリントし、糸をほぐして再度織る「解(ほぐ)し織り技法」が特徴で、高いデザイン性が人気だった。一九三九年には銘仙生産高日本一にも輝いている。
 戦後は衰退したが、二〇一四年、足利市内の鶴貝捺染(なっせん)工業とガチャマンラボが協力して復刻し、独自ブランドを開発。国内外の有名ブランド服飾品にも採用され、パリコレクションに出品するなど実績を積み上げ、登録が認められた。
 出願は二〇一八年夏で、登録まで三年以上を費やした。同商議所の担当者は「足利銘仙を活用した地域経済の活性化を期待している」と話す。

佐野の伝統工芸品「天明鋳物」(市提供)

 一方、佐野市は佐野商工会議所、現役鋳物師(いもじ)と市天明鋳物振興協議会を設立し、昨年末、伝統工芸品「天明鋳物」を出願した。審査が始まっており、市の担当者は「順調なら一年以内の登録が期待できる」と見通す。
 下野国佐野天明(現・佐野市)に広がる鋳物業の起源は平安時代の九三九(天慶二)年、平将門の乱のため、藤原秀郷が武具製作のため河内国(現・大阪府)から五人の鋳物師を移り住まわせたことが始まりとされる。安土桃山時代に茶の湯が流行し、天明鋳物の野趣に富んだ素朴な湯釜が好まれた。千利休が天命(明)釜で会を催したことを伝える文献も残っている。
<地域団体商標> 2006年から特許庁が始めた制度。「地域名+商品(サービス)名」が基本で地域ブランドを偽物から保護し、地域の経済活性化を目的とする。「草加せんべい」(埼玉県)、「高崎だるま」(群馬県)などが有名。県内では、「益子焼」「鬼怒川温泉」などに次ぎ「足利銘仙」が9件目。

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