貧困やDV被害 居場所がない女性の包括支援 超党派議員が新法案を提出へ 売春防止法から脱却目指す

2022年2月16日 20時39分
 超党派の国会議員有志が16日、国会内で勉強会を開き、貧困やドメスティックバイオレンス(DV)などで居場所を失った女性を支えるための新法「困難女性支援法案」を、今国会に共同提出する方針で一致した。女性の保護事業は現在も都道府県が実施しているが、根拠法の売春防止法は、女性の「更生」や「収容」を明記する一方、福祉の視点が欠けているとして一部を廃止し、新法に置き換える狙いだ。(大野暢子、坂田奈央)

◆福祉の視点抜けた売防法

 法案の骨子では、性的被害や家庭状況の事情で、日常生活や社会生活が困難になった女性を支援対象として定義。本人の意思を尊重し、回復や自立に必要な包括的支援を行うことを明記した。
 会合では、自民、立憲民主など6党の議員が骨子を示し、識者らでつくる「女性支援新法制定を促進する会」(会長・戒能民江かいのうたみえお茶の水女子大名誉教授)のメンバーらと意見交換した。

女性支援のための新法制定に向けた超党派勉強会であいさつするお茶の水女子大の戒能民江名誉教授㊥=16日、国会で

 自民党の上川陽子幹事長代理は「通常国会で何としても売防法から脱却して新法を作り、しっかりと動かしていく」と表明。戒能氏は「現場は長い間、新しい仕組みが必要だと訴えてきた。具体化すると聞き、感慨無量だ」と歓迎した。
 1956年制定の売防法は、売春を助長する行為の処罰と、売春する恐れのある女性の補導・保護更生が目的。都道府県は今も同法に基づき、相談や一時保護を担う「婦人相談所」、中長期的に保護する「婦人保護施設」を運営している。
 保護対象はDVやストーカー被害者にも広がったが、少ない人員配置や専門職員の不足、民間団体との連携不足が課題。支援関係者は長年、「困難の責任を女性に負わせ、蔑視的な表現が残る売防法こそ問題だ」と、新たな根拠法を求めていた。

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