<社説>オンライン議会 地方本会議から実現を

2022年2月18日 06時58分
 新型コロナの感染対策として全国の地方議会でデジタル化が進んでいるが、まずはオンライン本会議の実現を急いでほしい。地方の議決機関の機能を維持することは、地域に暮らす人たちの生活を守ることに直結する。
 オンライン議会については、全国でも茨城県取手市の取り組みが早かった。感染が拡大しても議会を開けるよう二〇二〇年九月に条例を改正し、同年十二月市議会でオンライン委員会を開催した。
 二〇年十一月には、愛知県豊田市で議員の感染者が続出し、議会運営委員会が中止になる事態があった。取手市議会はこうした非常事態も想定して先駆的な取り組みをしたといえる。
 都府県レベルでは昨年秋までに東京都、大阪府、愛知、三重県議会などがオンライン委員会を開催できるよう条例改正した。
 ただ議会が迅速に意思決定するには本会議のオンライン化こそ重要だ。議論を深める委員会よりも議決が主である本会議の方がオンライン審議になじむ面がある。問題は地方自治法で本会議の「出席」は「議場にいること」とされ、法改正という壁があることだ。
 大津市議会はこの問題に迅速に行動を起こした。議場のある同市本庁舎で二〇年春、クラスターが発生し、「もし議会期間中だったら本会議が開けなかった」と危機感を強めたからだという。
 同市議会は二一年一月にオンライン模擬本会議を実施し準備を進めてきた。昨年十二月には取手市議会と共同で総務相らに法改正を求める意見書も手渡している。
 国会でのオンライン本会議開催は「出席」についての憲法の規定が壁となり、実現への動きは地方より鈍かった。だが、今月十日の衆院憲法審査会ではオンライン審議の導入に前向きな意見の政党が多数を占め、国、地方とも流れが加速しつつある。
 対面での会議と同水準の中身を担保する必要はあるが、地方でのオンライン本会議にはコロナ対策のみならず、育児や介護などの事情を抱える議員の活動継続を支える効果を期待できる。
 とりわけ小規模自治体では議員のなり手不足が深刻だ。一九年統一地方選では町村議選の23・3%が無投票当選だった。オンライン化が進むことで議員の仕事に要する時間が節約できれば、そうした状況の改善にもつながろう。

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