広がる「制服リユース」の輪 文京区で女性が困窮家庭を応援、出店

2022年2月19日 06時00分
 中学や高校の入学シーズンが近づいてきた。準備を進める親が気づくのは、その費用の高さ。東京都のある区立中の制服代は冬服で約3万円以上かかり、夏服や体操服、シューズなどを含め総額8万円ほどになるともいわれる。そんな中、少しずつ広がるのが着なくなった制服などの寄付を募り、安く譲る活動だ。携わる人は「愛着ある制服を、必要な人に届ける『お下がりの輪』が広がってほしい」と願う。(長竹祐子)

◆値上がり続く中高生の制服

 中学や高校の制服は値上がりが続いている。総務省の小売物価統計調査によると、全国の男子用学校制服の1着の価格は、2015年1月時点の3万1361円に対し、今年1月時点では3万6607円と約5000円も上昇。各学校がメーカーや取扱店を指定して競争が働きにくい上、少子化が進んで取扱量が減っていることが背景にあるとみられる。
 こうした中、文京区の石井真弓さん(45)は「成長期の子どもたちを応援したい」との思いから、昨年8月に学生服のリユース店を始めた。きっかけは、数年前に家庭の事情で中学入学までに制服を買えない子どもの報道を見て、「なんとかできないか」と思ったこと。学生服のリユース店を全国展開する「さくらや」(本部・高松市)からノウハウを学んだ。

◆ボックスで回収、補修、洗濯し提供

寄付された学生服を手にする石井さん=東京都文京区内で

 同区と隣接区にある国公立私立の幼稚園、小中高校、専門学校の制服やネクタイなどの指定用品を扱う。区内のクリーニング店や区民センターなど10カ所に設けた「回収ボックス」を通じて集め、必要に応じて補修やクリーニングして汚れを落とし、ネームの刺しゅうを取り除くなどして、希望者に定価の1~3割で譲る。
 石井さんは「入学準備時に費用の高さを知り、驚く保護者も少なくない」と説明する。開業して半年たつが、すべての希望に応じられる品ぞろえは難しく「ニーズに応じ切れていない」と感じることも。それでも、制服を譲りたい人と必要とする人をつなぐため、取り組みの周知や、回収ボックスを増やす活動などに取り組んでいる。
  購入希望者は、さくらや文京店=電090(2522)2012(水、土、日午前9時~午後1時)=か、メール=sakuraya.bunkyo@gmail.com=で在庫を確認の上、区内の事務所で試着し、購入する。学生証の提示が必要。

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