<Q&A>NATOって何?ロシアはなぜウクライナの加盟に反発するの?

2022年2月22日 17時20分
 ウクライナに侵攻する構えをみせるロシアは、ウクライナが米国主導の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO=North Atlantic Treaty Organization)に加盟することに強く反発しています。ロシアが警戒するNATOとはどんな組織で、なぜウクライナの加盟に反発するのでしょうか。
 Q NATOとはどういう組織か
 A 東西冷戦が激しくなった1949年、米国や英国、フランスなど、いわゆる西側諸国によって調印された北大西洋条約に基づき設立された国際軍事機構です。加盟国の領土と国民の防衛を最大の責務としており、加盟国のどこか一国が武力攻撃を受けた場合は、全加盟国に対する攻撃とみなして集団的自衛権を行使すること(条約第5条)を規定しているのが特徴です。本部はベルギーのブリュッセルにあります。
 Q 加盟国は何カ国?
 A 創設時点では12カ国でしたが、今は30カ国にまで拡大し、外務省によると、加盟国軍隊は計約332万人(2021年推計値)、加盟国の国防費総額は 約1兆485億米ドル(同)に上ります。
 Q 冷戦は終わったのにNATOが存続しているのはなぜか
 A 1989年の東欧革命とその後の旧ソ連崩壊により、NATOは集団的自衛権を行使しないまま初期の目的を終えました。その後は新戦略を模索し、域外の紛争処理や予防を活発化させています。1999年のコソボ紛争では、セルビアに対して初めて空爆を実施。2001年9月の米中枢同時テロでは、初めて条約第5条を適用し、アフガニスタンを攻撃しました。
 Q ロシアがNATOを警戒するのはなぜか

ロシアのプーチン大統領=AP

 A 1999年にチェコ、ハンガリー、ポーランド、2004年には旧バルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)などいわゆる旧東側諸国がロシアからの支配や圧力を逃れて相次ぎNATOに加盟してきたからです。ウクライナも同様に加盟を求め、NATOは2008年の首脳会議で、ジョージアとウクライナの将来的な加盟を認めました。
 ロシアは、NATOの東方拡大を自国に対する脅威とみなしています。ウクライナが加盟すればかつては旧ソ連を形成し、ロシア人も住む国から、長い国境を接して武器を向けられることになる、として強く反発しています。
◆NATO加盟国の東方拡大
1949年:アイスランド・アメリカ・イギリス・イタリア・オランダ・カナダ・デンマーク・ノルウェー・フランス・ベルギー・ポルトガル・ルクセンブルク(原加盟国、12か国)
1952年:ギリシャ・トルコ
1955年:西ドイツ(1990年に東西ドイツ統一)
1982年:スペイン
1999年:チェコ・ハンガリー・ポーランド
2004年:ブルガリア・エストニア・ラトビア・リトアニア・ルーマニア・スロバキア・スロベニア  
2009年:アルバニア・クロアチア   
2017年:モンテネグロ
2020年:北マケドニア

バイデン米大統領=AP

Q ウクライナが加盟を申請しても、手続きが進まないのはなぜか
A NATOは加盟申請について「常に門戸は開かれている」との立場です。ただ実際は、ロシアを刺激したくないため、陸続きのフランスやドイツは特に加盟に慎重です。バイデン米大統領は今年1月、旧ソ連の一部だったウクライナの加盟について「民主主義の発展の度合いから、近い将来はないだろう」とも述べています。
Q ウクライナの加盟は今後どうなるのか 
A ウクライナは加盟の行程表を示すよう求めていますが、NATO側は依然、慎重です。ただ、プーチン大統領が望む「非加盟の確約」も、加盟希望国の意思を否定することになるため、受け入れることはできません。加盟問題の議論は平行線が続きそうです。

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