無人改札「見直しを」 障害者団体、京王電鉄に要望書 コロナ禍で減収、本格的に導入

2022年2月22日 06時00分
 新型コロナウイルス禍の影響などから、京王電鉄(東京都多摩市)の駅で改札の無人化が進む。車いす利用者や視覚障害者らの団体は21日、利用が難しくなるとして見直しを求める要望書を同社に提出した。首都圏でも人口減や人手不足などで駅自体の無人化が進む傾向にあり、障害者らの利便性が課題となっている。(宮本隆康)

京王電鉄の担当者に無人化などの見直しを要望する鷹林さん(右手前)ら=21日、東京都多摩市で

 京王によると、2021年1月から新宿、渋谷、下北沢、千歳烏山、調布など9駅13カ所の改札を無人化した。以前から人口減と採用難の対策として検討し8駅で駅ビル直通などの改札を無人化していたが、コロナ禍による減収で本格的な導入に踏み切った。
 無人化するのは複数の改札がある駅の一部改札。障害者の利用などを想定し、駅員とテレビ画面でやりとりできる機器を新たに設置した。乗降を手伝う必要などがあれば、別の改札から駅員が駆けつける。

無人化された改札で、駅員とテレビ画面で話せる機器=調布市の京王線調布駅で=京王電鉄提供

 これに対し、要望書を提出した「京王線を利用する障害者の会」の鷹林茂男代表(69)らによると、従来は駅員が視覚障害者に改札の方向を伝えたり、車いす利用者が券売機に現金を入れるのを手伝ったりしていた。無人化改札では、何度かインターホンを鳴らしても5分ほど応答がなかったこともあるという。
 鷹林さんは「導入してしまえば戻すことはなかなか難しい。事前に自治体に計画を伝え、地元の障害者団体などが意見を言える機会をつくってほしい」と話した。京王の担当者は「貴重な意見を踏まえよりよい駅にしていきたい」としている。

◆無人駅は全国に5割弱、背景に経費節減や人手不足

 国土交通省によると、全国の無人駅の割合は2019年度で48・2%で、01年度より4・9ポイント上昇。鉄道会社の経費節減や人手不足が背景にあるという。
 首都圏も無縁ではない。JR東日本によると、都内で無人なのは青梅線と五日市線、八高線で計13駅。東武鉄道は栃木、群馬県を中心に、都内1駅も含め計30駅で終日または一時的に駅員がいない。京成電鉄では夜間帯に無人になる駅が4駅ある。東急電鉄は世田谷線7駅と、こどもの国線2駅が無人だ。
 国交省は、20年11月から障害者団体と鉄道会社を交えた意見交換会を開催。車いす利用者の乗降介助など無人の駅や改札でおろそかになりがちな課題を洗い出し、利便性向上につながるガイドライン策定を目指す。同省担当者は「少子高齢化や人口減の中、早朝から深夜まで駅員を置くコストは重い。ホームと列車の隙間を狭めるなどのバリアフリー強化が無人駅対策につながる」と話す。(砂上麻子、梅野光春)

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