岸田首相、曖昧な答弁ばかり コロナや新資本主義、議論深まらないまま予算案は衆院通過へ

2022年2月22日 06時00分

衆院予算委で答弁する岸田首相

 岸田文雄首相は衆院予算委員会の審議で、曖昧な答弁や「検討」を連発するなど、具体策を欠いたり実質的に答えなかったりする姿勢が目立った。主要な論点となった新型コロナウイルス対応や、敵基地攻撃能力の保有の是非、新しい資本主義などで野党が課題を指摘しても、質問に真正面から答えないことが多く、議論が深まらないまま、2022年度予算案は異例の早さでの可決となった。22日の衆院本会議でも可決され、衆院を通過する見通しだ。(村上一樹)

◆一見丁寧、実際には…

 「指摘は謙虚に受け止め、取り組むべきことをしっかり進める」。首相は21日の予算委で、新型コロナの「第6波」で自宅死が増える中、司令塔機能の強化を急ぐよう求めた立憲民主党の長妻昭氏に対し、抽象的に答えるだけだった。
 首相はこれまでの答弁で、野党からの追及に「しっかり」「検討」などの言葉を使って丁寧に答えるそぶりを見せつつも、実際には提案を受け入れず具体策を示さない対応を繰り返してきた。
 敵基地攻撃能力に関して立民の玄葉光一郎氏が「本質は何か」と尋ねたのに対しては「国民の命や暮らしを守るための選択肢の一つとして、敵基地攻撃能力の議論がある」と答弁。具体的な言及を避けたため、論戦には至らなかった。

◆自身の看板政策でも一般論の説明に終始

 首相の看板政策「新しい資本主義」とは何かを問われた際も、首相はデジタルや気候変動、経済安全保障などの課題を挙げ「浮かび上がってきた課題を解決しながら成長と分配の好循環を回していく」と一般論の説明に終始。有志の会の緒方林太郎氏は「何となく姿が見えているようで、つかみどころがないのが首相の答弁だ」と指摘した。
 コロナ対応では、野党の提案を拒否した後、政府の方針転換を余儀なくされた例もあった。立民の山井和則氏が1月25日、ワクチンの3回目接種の1日100万回を目指すかをただしたのに対し、首相は「1日何人というのではなく、できるだけ多くの方に接種してもらう体制をつくる」と目標設定を拒んだ。
 その後、接種の遅れが批判を浴び、首相は2月7日に一転して1日100万回の目標を表明した。山井氏は「首相が『検討する』と言う間に事態は逼迫している」と後手に回った政府対応を非難した。

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