辺野古県民投票3年 進む新基地建設 「本土優先の構造変わらず」住民投票主導した安里長従氏に聞く

2022年2月24日 06時00分
 沖縄県名護市辺野古へのこの米軍新基地建設を巡る県民投票から、24日で3年となった。7割超が辺野古沖の埋め立てに反対の意思を示したが、工事は止まっていない。当時、投票条例制定の直接請求で主導的な役割を果たした市民団体「『辺野古』県民投票の会」(解散)の副代表を務めた安里長従氏に沖縄の思いなどを聞いた。(聞き手・山口哲人)

◆新基地の押しつけ

「辺野古」県民投票の会・安里長従元副会長=本人提供

―県民投票の意義は。
「シングルイシュー(単一課題)の住民投票を実現することで、県民一人一人が自由に自己決定を行う環境を整備する一助になった。投票が行われた当時、(国政与党の)自民、公明両党が議論を避けていたことも皆が知っている。その事実は『本土の理解が得られないから辺野古へ』という不合理な差別で新基地が沖縄に押し付けられているということを可視化した」
―民意は顧みられず、新基地建設は進んでいる。
忸怩じくじたる思いだ。日本は民主主義が機能していないということに尽きる。本土(の利益)が優先され、沖縄(の立場)が劣後するという構造は変わっていない」

◆辺野古は民主主義の問題

―この構造を変えるために必要なことは何か。
「新法をつくるなど、国が最終的に責任を持って沖縄の負担を是正する仕組みを具体化しなければいけない。その仕組みの中で米軍普天間飛行場(宜野湾ぎのわん市)の県外・国外移設を議論し、本土に移設するなら、一つの地域への押し付けにならないよう考えるべきだ。(基地負担の問題を)本土でも議論するよう、全国の地方議会に訴えている」
―その趣旨をくんだ意見書の可決や陳情の採択は、東京都小金井市など48の地方議会にとどまる。
「安全保障は国の専権事項という思考停止もあれば、総論は賛成だが自分に関わるなら反対するという姿勢もある。そもそも無関心という理由がある」
―国民は辺野古新基地建設とどう向き合うべきか。
「私たちが県民投票で投げたボールを本土の人たちは受け止め、自分たちの問題として対峙たいじしてほしい。辺野古新基地建設は単なるイデオロギーの話だと矮小わいしょう化せず、民主主義の問題として向き合うことを願っている」

あさと・ながつぐ 「『辺野古』県民投票の会」副代表として、県民投票条例制定を県に直接請求する署名集めに奔走。会は2019年2月の投票実施後に解散し、現在は普天間飛行場の移設問題を国民全体で議論するよう地方議会に提案する「『新しい提案』実行委員会」責任者。司法書士。那覇市在住。49歳。

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