在日米軍、新型コロナ対応で二重基準 日本出国時は検査 入国免除と異なる対応

2022年2月24日 06時00分
 米軍が昨年、日本入国時に新型コロナウイルス検査を免除しながら、本国帰国時や駐留・展開する他国への出発時は実施を義務付ける二重基準の対応をしていたことが分かった。二重基準だったのは昨年末で、少なくとも約3週間に上る。本紙は在日米軍司令部に理由を聞いたが、質問には直接答えなかった。(山口哲人)
 在日米軍は昨年9月3日から日本入国時のコロナ検査を免除。米海兵隊キャンプ・ハンセン(沖縄県金武きん町など)内のクラスター(感染者集団)発生を受けた日本側の申し入れで、12月26日から再び実施することになった。ウイルス検出感度が低く日本の検疫では採用されていない抗原定性検査も認めている。
 一方、在日米軍関係者が利用する横田基地(東京都福生市など)内の横田旅客ターミナルは、フェイスブックで「米国に到着する乗客は、出発3日前に行われた新型コロナ検査で陰性証明を提出する必要があり、2021年12月6日から施行する」と周知。本国だけでなく、駐留する韓国や、米海軍基地がある英領ディエゴ・ガルシアへの出発便の搭乗前も検査を求め、韓国向けはPCR検査と明示している。
 本紙は在日米軍司令部に、出入国で異なる対応を取っていた理由をメールで質問した。担当者は「重要なことは私たちはこの問題に共に取り組んでいるということだ」と答えるにとどめた。米軍の不十分な検疫・防疫体制と、日本での感染拡大の関連性について認識をただすと「オミクロン株の高い感染力により、検査や検疫が厳しくても世界中で感染者が増加している」と回答を避けた。
 外務省の担当者は「日本政府が米側と協議するのは日本に入国する米軍関係者の水際であり、日本を出国する場合について特段述べる立場にない」と話した。
 日本入国時に検疫を免除されるのは、日米地位協定に基づき、日本の法令が米軍に適用されないためだ。両国は1月、日米合同委員会の下に検疫・保健分科委員会を設け、措置の整合性確保に向けた協議を始めたが、結論は出ていない。

◆日本軽視の姿勢を改めて露呈

前泊まえどまり博盛・沖縄国際大教授(日米安保論)の話 在日米軍は、日本に新型コロナウイルスは持ち込んでも構わないが、米本国には持ち帰らないようにする検査態勢で、日本が軽んじられていることが改めて露呈した。同じ同盟国の韓国向けには米軍は検査や隔離をしっかりと行っている。日本政府が米軍に物を言わないので、日本はやられたい放題になっている。

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