ウクライナ、市民に武器提供と表明「ロシアが仕掛けた侵略戦争」 チェルノブイリ原発周辺でも戦闘

2022年2月25日 01時09分
 【モスクワ=小柳悠志、ワシントン=吉田通夫】ロシア軍は24日、ウクライナへの侵攻を開始した。現地メディアによると、首都キエフなどの軍事施設をミサイルで攻撃して制空権を握り、地上部隊が国境を越えて北部や南部に侵攻した。ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアとの国交断絶を宣言。先進7カ国(G7)首脳は同日夜、オンライン会議を開き、G7のあらゆるレベルで緊密に連携していくことで一致した。

◆「ロシア系住民を抑圧した人物裁く」

 ロシアのプーチン大統領は24日、国民向けの演説で、独立を承認したウクライナ東部2州の親ロシア派武装勢力の代表者から軍事支援を要請されたと説明。「ウクライナを武装解除し、ロシア系住民らを抑圧した人物を裁く」と語り、ロシア系住民の保護を侵攻の名目とした。一方で「ウクライナの占領は考えていない」と述べた。

24日、ウクライナ・マリウポリ郊外の軍事施設で、損害を受けたレーダー=AP

 ロシア国防省は「軍事施設に向けて精密誘導兵器で攻撃している」と明らかにし、ウクライナで11の飛行場を含む74の地上インフラ施設を破壊したと発表した。ウクライナ政府によると、キエフや第2の都市ハリコフ、南部オデッサなど少なくとも全国25カ所で爆発を確認。東部2州では親ロ派支配地域に隣接する村が攻撃された。チェルノブイリ原発周辺でも戦闘が起きている。ウクライナ側は軍人40人以上と民間人10人が死亡したという。
 一方、ウクライナ国防省は、東部ルガンスク州でロシアの軍用機5機とヘリ1機を撃墜したと発表した。東部ハリコフ州での交戦では、ロシア兵約50人が死亡したと主張している。

◆全土に戒厳令

 ゼレンスキー氏は侵攻を受け、全土に戒厳令を発出。「われわれは勝利する」と述べ、希望する市民に武器を提供すると表明した。クレバ外相は「ロシアが仕掛けた侵略戦争であり、全世界はプーチンを止めなければならない」と語った。
 ウクライナ国境警備隊は、ロシアと軍事同盟を結ぶベラルーシ軍も侵攻してきたと発表したが、ベラルーシのルカシェンコ大統領はこの情報を否定している。
 バイデン米大統領は声明を発表で「プーチン氏は壊滅的な人命の損失をもたらす計画的な戦争を選択した」とし、「ウクライナと、世界の平和と安全に対する無用な侵略行為だ」と非難した。
 ロシアは、ウクライナで親欧米政権が誕生した2014年、南部クリミア半島を併合したほか、東部2州で8年間にわたり親ロ派武装勢力を支援している。

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