邦人120人の安全確保へ 首相、自衛隊派遣には否定的 チャーター機で退避求める方針

2022年2月24日 21時30分

ウクライナ情勢を受け、取材に応じる岸田首相


 岸田文雄首相は24日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて国家安全保障会議(NSC)4大臣会合を官邸で開き、現地に残る日本人約120人の安全確保や情勢把握に努めるよう関係閣僚に指示した。政府は現段階で自衛隊機派遣に否定的で、隣国に手配したチャーター機で速やかな退避を求める方針。
 政府はウクライナ全土の危険情報を2番目に高い「レベル3」(渡航中止勧告)へ引き上げた1月24日以降、現地の日本人に民間機などでの出国を要請。在留していた約250人の半数以上は応じたものの「家族や子どもがいて、すぐには動けない事情」(官邸幹部)で、なお国内にとどまる人がいる。
 松野博一官房長官は24日の記者会見で「極めて危険かつ流動的な現地情勢の中で、在留邦人の安全確保に最大限取り組んでいく」と説明した。

◆自衛隊派遣巡り「安全に実施」要件緩和の動きも

 アフガニスタン情勢が悪化した昨年8月には自衛隊機による輸送を実施したが、派遣の決断が「遅すぎる」と批判を浴びた。今回は派遣の具体的な検討に入っていないという。
 自衛隊法は、邦人退避のための自衛隊機派遣に「輸送を安全に実施できると認める時」と要件を定め、侵攻が始まった状況では活動が困難という判断もあるとみられる。政府は「安全に実施」の要件を緩和し、危険回避の対策を講じることができれば救出活動を行えるようにする同法改正案を国会に提出している。
 外務省幹部は「陸路で国外に移動するのも危険が伴う。首都キエフにあるとされるシェルターに避難するなど、まずは自分で身の安全を確保してほしい」としている。(山口哲人)

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