生活保護の扶養照会「申請者が拒めば保留」徹底を、東京都が自治体に通知

2022年2月25日 06時00分
都庁

都庁

 生活保護の申請時に自治体が申請者の親族に援助ができないかどうか確認する「扶養照会」の手続きについて、東京都が都内の自治体に、申請者が照会を拒む場合は照会をいったん保留するよう求める通知を出していたことが分かった。

◆支援団体「改めてくぎを刺した」評価

 扶養照会を巡っては「家族に知られるのが嫌」などと生活保護の利用をためらう要因になっている。昨年3月、国が自治体に同じ趣旨の事務連絡をしているが、実務を担う自治体の福祉事務所では、申請者の意思に反して照会する事例が出ている。支援団体は「改めてくぎを刺した形で意味がある」と評価している。
 24日の都議会代表質問で、立憲民主党の西沢圭太氏が申請者の意向に反した照会を行わないよう区市などへの徹底を求めた。中村倫治・福祉保健局長は「書面や口頭などの形式にかかわらず、申請者が拒む場合は理由を確認した上で照会をいったん保留するよう通知した」と述べた。

◆東京都「申請者の意向を尊重してほしい」

 都の担当者は取材に「申請者の意向を尊重し、照会を拒む人には丁寧に話を聞くよう徹底してほしい」と話した。生活保護法は親族らによる扶養が、生活保護より優先するとしている。
 生活保護の申請者を支援する一般社団法人「つくろい東京ファンド」によると、扶養照会を拒む人には、家族との絶縁や、ドメスティックバイオレンス(DV)被害で居場所を知られたくない場合などが多い。
 法人スタッフの小林美穂子さん(53)は「拒んでいるのに照会に持っていこうとするなど現場では徹底されていない」と改善を期待している。(加藤健太)

関連キーワード


おすすめ情報

社会の新着

記事一覧