【動画】強風で重さ6トンの切断装置が安定せず 高濃度汚染配管の撤去作業 東電福島第一原発

2022年2月25日 18時36分
 東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)の1、2号機間にある高濃度の放射性物質で汚染された配管の撤去が、出だしから難航している。現場に人が近づけず、大型クレーンでつるした切断装置を遠隔操作する作業だが、強風で装置が安定せず地上近くにある配管に下ろせていない。
 東電によると、配管撤去は2月24日に始めるはずだったが、強風で作業ができなかった。翌25日昼すぎにはクレーンで幅12メートル、重さ6トンの切断装置をつり上げ、2号機横の地上付近にある配管への装置固定を試みた。だが上空の風が強く、装置が揺れたり回転したりして安定せず、約2時間後に地上に下ろした。
 風が弱まった夕方に作業を再開。午後6時前に、切断装置はかなり配管に近づいたものの、配管をつかめず切断に着手できなかった。
 東電によると、クレーンの高さ60メートル地点に風速計があり、毎秒8メートルを超えると作業中止を検討し、10メートル以上は中止となる。東電が公表しているクレーン北側に位置する5、6号機排気筒に設置された風速計の記録によると、25日は毎秒10メートル前後の強風が続いていた。

クレーンでつり上げられた切断装置=2022年2月25日午後4時34分、東京電力福島第一原発で(東電のライブカメラから)

 撤去される配管は、2011年3月の事故当初、原子炉格納容器の破裂を回避するため、炉内にたまった汚染蒸気を外部に出すベント(排気)で使われた。直径約30センチで、長さ約130メートル。26分割(長さ約0.76~14メートル、重さ60~1300キロ)に切断する。配管内には汚染水が入っている恐れがあり、切断部の前後に発泡ウレタンを注入して、漏水を防ぐ。
 クレーンで切断装置をつるして遠隔操作する作業は、高さ120メートルあった1、2号機排気筒の上半分の解体(19年8月~20年5月)でも実施。筒頂部に載せた装置が故障するなどトラブルが相次ぎ、作業員が装置まで上って切断したこともあった。(小川慎一、小野沢健太)

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