世界情勢から街の話題まで

2022年2月26日 08時19分
 二十日朝刊社説「ハナコ 君は悪くない」に対して、読者の皆さんから共感する旨のお便りをいただきました。まずは感謝申し上げます。繰り返しになりますが、社説の内容を簡単に紹介します。
 福井農林高校演劇部が昨年の県高校演劇祭で「明日のハナコ」を上演しました。二人の少女が戦争や原発など福井の歴史を振り返り、未来を考えて成長する物語です。
 しかし、各校の演劇部顧問らでつくる顧問会議が、せりふに身体障害者をさげすむ言葉があるとして「非公開」を決めました。予定していた関係者向けインターネットサイトでの公開やケーブルテレビでの放映が中止され、脚本も顧問が管理し、生徒の手に渡らないようにしたのです。
 ただ、この言葉は元敦賀市長(故人)が原発誘致の利点を説く発言を引用したものです。社説では高校生たちの真摯(しんし)な表現活動を「差別用語」を理由に封印せず、「表現の自由」を尊重して対応策を考え、公開の道を探ることが顧問の先生ら大人の役目ではないか、と訴えました。
 これに対し、読者の手紙には「同感です」「心から賛同します」とのご意見とあわせて「全く知りませんでした」「掲載をうれしく思います。この問題に目が向きました。感謝します」などと、この問題を取り上げた社説への期待感が記されていました。
 この社説は、毎週日曜日の「週のはじめに考える」として掲載したものです。社説では基本的に日々のニュースを取り上げますが、週一回はこうした動きから少しだけ離れて、問題の背景や底流を深く探ろうと心掛けています。
 世界を見渡すと、ロシアがウクライナへの侵攻を始めました。その地域に住む人々から平穏な暮らしを奪う戦争は同じ人間としてもちろん許せません。二十五日朝刊社説でも「ロシアの無法を許さぬ」と厳しく非難しました。戦争をしない、させない「平和国家」の道を歩む日本のメディアとしては当然と考えます。
 同時に「ハナコ…」のような地域に埋もれがちな、しかし、私たちの社会が抱える普遍性を持つ問題も積極的に取り上げ、その意味を読者の皆さんとともに考え続けたい。読者のアンテナとして、世界の動きから地域や街の話題までを伝え、論じる新聞社説でありたいと思います。(と)

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