立民、活動計画に「女性候補5割」を明記 「自公の改選過半数を阻止」目指す 泉代表就任後初の党大会で

2022年2月27日 21時49分
 立憲民主党は27日、泉健太代表が就任して初めてとなる定期党大会を東京都内で開催し、2022年度活動計画を決定した。今夏の参院選で「自公の改選過半数を阻止し、与野党が拮抗する緊張感のある政治を目指す」と掲げ、「女性候補者5割」を目指すことも明記した。32の改選1人区での野党候補一本化は「選挙区事情を考慮しながら野党間の候補者調整を図る」との方針を示した。(井上峻輔)

◆共産とは「調整」国民民主とは「微妙」

 活動計画は、党勢拡大に向けて「従来の支持層に加え、中道層、無党派層からも支持を獲得すべく、幅広いアプローチを展開していく」と表明。また、「『政策立案型政党』であることと、政府与党の課題を追及することは二者択一ではない」として、政府との提案型論戦を重視する姿勢も改めて示した。
 泉氏はあいさつで「生活者の視点から国会論戦を行う」と語り、自民党との対立軸を強調。立憲主義や多様性といった価値観を重視する姿勢を示した上で、「立民こそがリベラルと中道の旗手となっていこう」と呼び掛けた。
 支援団体の連合が難色を示してきた参院選での共産党との共闘に関し、泉氏は党大会後の記者会見で「候補者調整を行うことは連合と確認した」と述べ、一本化に向けた共産との協議を進める考えを示した。一方、衆院で政府の当初予算案に賛成した国民民主党との調整については「微妙な状況だ」と述べるにとどめた。
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◆野党第1党としての影響力低下

 27日の党大会で参院選の目標を「与党の改選過半数阻止」に定めた立憲民主党だが、立民と距離を置く日本維新の会や国民民主党が独自色を強め、野党第1党として連携や勢力結集を主導することが難しくなっている。与党に対抗する勢力を形成できなければ「政権の公文書偽造やうその答弁など、権力側のルール違反」(立民の泉健太代表)を許しかねない状況が今後も続くことになる。
 「与党が強く野党が弱いままでは政権運営が緊張感を欠き、国民に悪い政策、悪い予算が届いてしまう」。泉氏は党大会のあいさつで、野党の現状に危機感をあらわにした。
 新代表就任から3カ月、執行役員の半数を女性にし、国会では政策提案を重視して論戦に臨むなど、党のイメージ刷新に努めてきた。だが党勢拡大が進んでいるとは言い難い。今月の共同通信社の世論調査では政党支持率は8.0%で、前月より約5ポイント下がった。
 一方、昨年の衆院選で議席を伸ばした維新、国民は立民と距離を置く。維新は立民を「オールド野党」と批判、国民は政府の新年度予算案の衆院採決で賛成し、与党への接近姿勢を示す。両党は国会で憲法審査会の早期開催を要望。衆院選で議席を減らした立民は、慎重だった憲法審開催に応じざるを得ないなど、影響力の低下を露呈した。
 野党をまとめきれない現状について、立民幹部は「執行部が変わったからではなく、野党の構図が変わったからだ」と説明する。
 参院選に向けた野党間の候補者調整も進んでいない。衆院選で共産党と合意した、政権交代時の「限定的な閣外からの協力」について、立民は「誤解となって有権者に伝わった」と総括。参院選では候補者一本化を目指しつつも一定の距離は保つ考えだ。
 国民との調整も、同党が政府予算案に賛成したことで見通せなくなった。連合の芳野友子会長が自民幹部との接触を繰り返すなど与党寄りの姿勢を見せることも立民を悩ませている。
 泉氏は党大会で「権力の暴走を防ぐ『立憲主義』を掲げ、自民党が放置してきた課題を解決する」と、立民の役割を改めて強調した。ただ、参院選で再び民意の受け皿となり、強力な野党勢力を再構築する道筋は見えておらず、党内では「野党の厳しい状況が続いてしまうのでは」(中堅)と危惧する声も出ている。

◆野党結集し与党チェックを

 法政大大学院の白鳥浩教授(現代政治分析)の話 野党がバラバラで、結集する軸が定まらなければ、政府・与党へのチェック機能が働かない状況が続くことになる。一定の時間はかかるかもしれないが、立憲民主党が他の野党も含めて、政権交代可能な連立政権の枠組みを示すことが重要になる。
 ただ、今の立民は野党の中で指導力をうまく発揮できていないのが実情だ。昨年の衆院選で議席を大幅に伸ばした日本維新の会の存在感が増し、文書通信交通滞在費などの政治課題を主導する「維新政局」が続いた。野党第1党としての立民の重みは失われ、どの野党も自分たちが生き残ることに必死になっている。
 国民民主党が与党に近づいていることは、立民にとって中道層の支持を取り戻すチャンスになるかもしれない。左側に寄っていたという問題から軌道修正できるかは、今度の参院選が鍵になるだろう。

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