父の国策映画追う 映像作家・伊勢さん、インドネシアで取材重ねる 「戦争責任」問い掛けた作品上映

2022年2月28日 07時10分

インドネシアで戦時中の記憶を尋ねる伊勢真一監督(右)

 ドキュメンタリー映像作家の伊勢真一さん(73)が、父で記録映画編集者の長之助さん(1912〜73年)が戦時中にジャワ(インドネシア)で手掛けた国策映画を追った映画「いまはむかし 父・ジャワ・幻のフィルム」(88分)が、前橋市千代田町の前橋シネマハウスで上映されている。約30年前から「戦争責任」を問い掛け続けた重厚な作品。3月4日まで。(菅原洋)
 長之助さんは四二年、報道班員としてジャワに出征し、国策映画を終戦まで撮り続けた。
 真一さんは当時の様子を父に直接聞くことはほとんどなかったが、父は「日本の侵攻は、侵略ではなく(現地の)解放だった」とつぶやいたという。真一さんは真実を確かめようと、約三十年前から今回の映画の撮影で現地に足を運ぶなどして取材を重ねてきた。
 作品は現地などの取材映像と国策映画を交えている。現地の路地裏にいた高齢の女性が日本兵に強姦(ごうかん)されるのを避けようと逃げた過去を明かし、「(日本の支配は)残忍だった」と証言するシーンもある。
 真一さんは映画のパンフレットの中で「多くの人たちがいまだにあの時代に日本がしたことを本当に赦(ゆる)してはいない。侵略した日本人は忘れても、侵略されたアジアの人々は決してその記憶を忘れてはいない」と強調している。
 作品には、真一さんの長男でディレクターの朋矢さんが撮影で協力し、長女で俳優の佳世さんがナレーターを務めた。
 上映は午後一時から。料金は一般千七百円、六十歳以上千円など。火曜休館。

長之助さんに抱かれる真一さん(3歳の頃)=いずれも映画「いまはむかし」の一場面、©いせフィルム


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