岸谷 香《東京 MY STORY》「スキーへGO!」(練馬区/大泉インター関越自動車道・前編)

2022年3月9日 09時55分

ミュージシャンの岸谷香さんが、東京の街と体験を重ねて綴ります。人生の大半を東京で過ごしてきた岸谷香さんが、それぞれの時代の東京の街模様を、自らの体験や大切な思い出と重ねて書き綴るエッセーです。リアルだからこその共感あふれる連載です。

第10回 練馬区大泉インター関越自動車道(前編)「スキーへGO!」

 子供達が小学校低学年の頃、雪の多い季節には、車で大泉インターから関越自動車道に乗り、八海山スキー場へよく行っていました。
 私自身は、ほとんど出来るスポーツがない中で、スキーだけは大人になってから始めて、ボーゲンでビビリながらも中の下のコースぐらいまでは行ける、まぁたいした事ない腕前ですが、子供達と一緒に楽しめる唯一のスポーツでした。
 幼馴染の家族と多い時で4~5家族一緒に、車を何台も連ねて関越自動車道を走り、サービスエリアでトイレに行ったり、買い食いをしたり、のんびりと4~5時間かけて行く冬の大きなイベントの1つでした。
 草津や軽井沢のスキー場も何度か行きましたが、八海山スキー場は少し遠めではありましたが、お天気が良いと山頂からの眺めが最高なのと、他より人が少なく、2時間ぐらいかけてゆっくり安全に滑れる緩やかなコースがあり、下手っぴな私や、幼い妹や弟達もみんなでそのらくらくコースを滑り、上手になった上の子達は途中に何カ所かある、中上級コースやコブのあるコースにチャレンジして、その様子を下でヒヤヒヤで見守ったり、とにかく全員一緒に楽しめるのが一番の魅力でした。
 当時、夫は年中撮影が入っており、数日前にならないとハッキリとしたスケジュールが分からないので、それを待っているとお出かけの予定を全くたてられない事から、ほとんどお留守番(というか仕事)で、私がワゴン車をバリバリ運転して、スキー場をはじめどこへでも行っていました。息子、娘、そして自分、3人分のスキー板と靴、ウェアと子供達のヘルメットなど、ものすごい大荷物でしたがレンタルする手間を考えたら、持参した方がまだ楽でした。全くアウトドア派じゃないお母さんにとって、これは修行のようでした(笑)。が、幼馴染のパパさん達が、皆親切にヘルプをしてくれて、本当に助かっていました。
 一番最初は、子供達をゲレンデにあるキッズスキー教室に全員まとめて入れて、親達(私以外みなさんお上手で!)はリフトに乗ってコースに出て、スキー教室が終わると、超初級コースで子供達と一緒に滑ったり、下の子達がまだスキー教室に入れない時は、順番で誰かが付き添ってソリ遊びをさせたり…なんとなくローテーションを組んで1日中子供達とゲレンデに居ました。今だったらきっと、寒いとか、面倒だとか言って、カフェやレストランで一人ビールを飲んで待っているに違いないのに(笑)…当時は全力で子供達を遊ばせていた、というか自分も全力で遊んでたんだなーと、今振り返るとそう思います。
 2人の子供をスキーウェアに着替えさせ、自分も着替えてスノーブーツを履かせて、車でスキー場の駐車場に行きます。駐車場でキャリアから板を降ろし、履きにくくて歩きにくいスキー用のブーツにまた履き替えさせて、えっちらおっちら板とストックを持ってゲレンデに出ます。小さい頃は板とストックはいっぺんに両方持てないので、子供にはストックを持たせ、私が罰ゲームみたいに6本の板を抱えて、ホントに死にそうでした(笑)。仕事の時は、重たい楽器や荷物などは全部スタッフが運んでくれていたので、普段の行いを反省したもんですヨ。申し訳なかった、と(笑)。
 
 板地獄から解放されて命からがらゲレンデに出ると、今度は子供達に板を履かせます。コレがまたスキーブーツの裏には雪がぎっしり詰まっていて、なかなか上手く板が履けないんですが、ちゃんと履かないとケガの元なので、もう必死に雪を落として1人ずつなんとか板を履かせます。子供達は自分が履けるとすぐに動き出しちゃうもんで、親も大慌てで板を履きます。そして、事前に買っておいたリフト券で全員リフトに乗る頃にはもうクタクタでした(笑)。
 そこから何時間もゲレンデに居たなんて、今ではとても考えられない体力です…。ホントにそれ私か!?って思います。そして、まだまだ元気な子供達にナイターも滑りたい~なんて言い出された日には、泣きそうでした。時に体力のあるパパが付き合ってくれたり、時にもうお母さん達死にそうだからお願い明日にして~と懇願してゲレンデを後にしたり。棒のような足を引きずって、またまた大量の板を持ち、なんとか車へ戻り、スノーブーツに履き替えさせ、自分もスキーブーツから解放された足の歓喜の叫びを感じながら運転し、ペンションに戻り、最後のお仕事、濡れたブーツや板、ゴーグルや手袋を全て乾燥室に持って行き、明日の為に干して、やっとやっと部屋に帰れます。もう倒れそうとはこのことです。
 親達はさっさと温泉にでも入って、ビールを飲みたいところですが、子供達は部屋に着くと今度はトランプだ!ゲームだ!と遊びだし、「早くお風呂入って~(涙)」とお風呂に入れる親達と、その間にお布団を敷く親達と…。チームワーク良くチャッチャと動いて、やっと夕飯です。カンパーイ!お疲れ様でしたー! のビールの美味しい事と言ったら!!本番で歌った後に飲むビールに勝るとも劣らない至福の味であった事を、鮮明に覚えています!
 皆さん、読んでいるだけで疲れるでしょう!?(笑)
 あの頃の自分は自分でも信じられないぐらい体力も気力もあったんだなーと思います。でもあの時やっといて良かった!! だってもう体力的にも気力的にも二度とできない偉業ですからね。
 年々子供達は上達し、しまいにはすっかり置いて行かれる状態で、子供達から「お母さん大丈夫!?」と心配されるあり様に。その頃には自分で着替えて履き替えて、板もストックも両方いっぺんに持てるようになり、お母さんの役目もどんどん減り、そうなると頑張れなくなるもので、気付けばカフェやレストランで窓からゲレンデを眺めながら、本を読んだり、ママ達とおしゃべりしたりと、本来の私の姿に戻っていったのでした(笑)。
 私はこの東京MY STORYでもお分かりのように、ずっと東京育ちで田舎もないので、自然の中で思いっきり遊んだ経験がない大人になってしまいました。なので、子供達には、自然の中でたっぷり遊んで、自然を知っている大人になってほしいと思っていました。スキー以外でも子供達の幼少時代に少しでも多く自然に触れるチャンスを求めて、色々なアクティビティに参加していました。
後編では、スキー以外の自然体験をご紹介しようと思います。お楽しみに。

★次回更新は、3月23日(水)更新予定です。



岸谷 香
1996年5月31日、武道館公演をもってプリンセス プリンセスを解散。
1996年結婚。1997年奥居香ソロとしてシングル「ハッピーマン」を発売し、ソロ活動をスタートさせ、アルバム「shout」「香」をリリース。
2001年子供を授かったことをきっかけに岸谷香に改名。その後13年間は育児を中心とする生活が続いた。2012年、東日本大震災復興支援の為、16年振りにプリンセス プリンセスを一年限定で再結成。
2014 年ソロの活動を本格的に新たにスタート。
2015年6月24日シングル「DREAM」を発売、 2016年5月、10年ぶりのオリジナルアルバム「PIECE of BRIGHT」リリースし、「KAORI PARADISE」と題し、ひとり弾き語りライブを実施。
2018年1月にはガールズバンドプロジェクトを立ち上げ、バンドサウンドでのミニアルバム「Unlock the girls」をリリース。
2019年3月豊洲PITにて4回目になった、東日本大震災復興支援ライブ「The Unforgettable days」を実施。
4月からはレギュラーラジオNHK-FM「岸谷香Unlock the heart」がスタート。
2020年2月には岸谷香感謝祭と題しゲストを迎えてのコラボライブを毎年実施。4月からは、ニッポン放送「オールナイトニッポンMUSIC10」(第四水曜)がスタート。
2021年2月ミニアルバム「Unlock the girls3-STAY BLUE-」をリリース。「岸谷香感謝祭2021」を開催、7月からはひとり弾き語りツアー「KAORI PARADISE2021」、12月はビルボード東京、大阪にて年末スペシャルライブを実施。
2022年は2月恒例の「岸谷香感謝祭2022」開催、5月からは3年ぶりになるバンドライブ55th SHOUT!ツアーが予定されている。
お知らせ
レギュラー
・ラジオNHK-FM「岸谷香Unlock the heart」
毎週金曜23:00〜スタート
・ニッポン放送「オールナイトニッポンMUSIC10」
毎月第四水曜日22:00~スタート
LIVE情報
【Kaori Kishitani 2022 Live Tour 55th SHOUT!】
5月21日(土) 愛知・名古屋ボトムライン  開場 17:30 / 開演 18:00
5月22日(日) 大阪BIGCAT    開場 16:45 / 開演 17:30
5月28日(土) 宮城・仙台Rensa   開場 16:30 / 開演 17:00
5月29日(日) 東京EX THEATER ROPPONGI 開場 16:45 / 開演 17:30
6月4日(土)  沖縄ライブハウスモッズ  開場 17:30 / 開演 18:00
チケット料金:全席指定 7,700円(税込・入場時ドリンク代別途必要)
※沖縄公演のみオールスタンディング、整理番号順入場
※3歳以上チケット必要
<一般発売>2022年2月26日(土)10:00~
<sugarbeans感謝祭 〜つぶあんこしあんトレビアン大集結!〜>
日時:2022年7月28日(木)18:00 OPEN 19:00 START
会場: LIQUIDROOM
〒150-0043 東京都渋谷区東3-16-6
チケット料金:前売り \6,500(1ドリンク別)
問い合わせ先:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
(出演者第二弾発表)
岸谷香/堂島孝平/中田裕二/けんいち/大森靖子/riko/吉澤嘉代子/Tommy & Sammy ほか
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(出演者第一弾発表)
設楽博臣(Guitar)/千ヶ崎学(Bass)/張替智広(Drums)/伊沢麻未(Chorus) /湯本淳希(Trumpet)/中村尚平(Saxophone)/sugarbeans 
(チケット)
■チケットぴあプレオーダー<抽選> 2022/3/7(月)11:00〜3/13(日)23:59
https://w.pia.jp/t/sugarbeans22/
■チケットぴあプレリザーブ2次<抽選> 3/17(木)11:00〜3/23(水)23:59
https://w.pia.jp/t/sugarbeans22/
■セブンイレブン先行<抽選> 4/1(金)11:00〜4/17(日)23:59
●一般発売<先着> 4/23(土)AM10:00
チケットぴあ:0570-02-999

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