岸田首相が「核共有」を否定 安倍元首相が議論提起も「非核三原則」から認めず

2022年2月28日 21時28分
 岸田文雄首相は28日の参院予算委員会で、米国の核兵器を日本国内に配備し日米で共同運用する「核共有」について「非核三原則を堅持するわが国の立場から考えて認められない」と否定した。自民党の安倍晋三元首相が27日のフジテレビ番組で議論を始めるよう促したことを受け、立憲民主党の田島麻衣子氏が見解をただしたのに答えた。林芳正外相も核兵器の保有、製造、搬入を禁じる政府方針に関し「考えに変わりはない」と説明した。(川田篤志)
 核共有は、米欧の軍事同盟・北大西洋条約機構(NATO)が導入している政策で、米国の核兵器を非核兵器国に置き、使用に当たっては戦闘機による運搬なども担う仕組み。安倍氏は番組内で、ソ連崩壊後に核兵器を手放したウクライナがロシアに軍事侵攻されたことを踏まえて「世界の安全がどのように守られているのかという現実の議論をタブー視してはならない」と訴えた。

◆原子力基本法にも違反

 日本への核共有政策の導入は、非核三原則のほか、原子力の利用を平和目的に限る原子力基本法にも反する。非核兵器国が核兵器を受領したり製造したりしないよう定める核拡散防止条約(NPT)に抵触する可能性も指摘される。従来の方針を転換することで、地域に軍拡競争を招く「安全保障のジレンマ」に陥る恐れもある。
 しかし、これまでも自民党内からたびたび議論が提起され、石破茂元幹事長や河野太郎広報本部長はブログなどで核共有政策の導入を検討する必要性に言及している。
 28日の首相の答弁を巡っては、日本維新の会の藤田文武幹事長が記者団に「中長期的に国家の安全保障環境をどうつくっていくかという議論はタブーなくやるべきだ」と述べた。
 一方、共産党の小池晃書記局長は記者会見で、安倍氏の発言について「非核三原則は国是だ。それを踏みにじるような発言をすることは断じて許されない」と批判した。

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