<Q&A>ロシアへの経済制裁、スイフト排除って何?その効果は?

2022年3月2日 06時00分
2月28日、モスクワ市内の銀行前。経済制裁で、一般のロシア国民はルーブル安による物価高に直面しようとしている=AP

2月28日、モスクワ市内の銀行前。経済制裁で、一般のロシア国民はルーブル安による物価高に直面しようとしている=AP

 欧州連合(EU)がロシアの銀行7行を国際的な金融ネットワークから締め出す制裁を発動しました。これら経済制裁の具体的な中身と効果についてまとめました。(皆川剛)
 Q 主な内容を教えてください。
  EUが今回発動したのは、ベルギーに本部がある「国際銀行間通信協会(SWIFT=スイフト)」が運営する金融の決済網からロシアの一部銀行を排除することです。スイフトを経由して、1万1000以上の世界各国の金融機関が送金情報をやりとりしています。スイフトが利用できなくなるロシアの銀行にしか口座のない企業は、貿易の決済が困難となります。
 Q 制裁対象の銀行との取引は完全にできなくなるのでしょうか。
  銀行同士でメールなどで情報をやりとりすることはできますが、「制裁の趣旨を踏まえれば技術的に取引できたとしてもしない」と日本の複数のメガバンク関係者は話します。一方、エネルギー調達をロシアに頼るEU諸国に配慮して、ロシアの最大手行などは除外対象になっておらず、「現状の制裁効果はフルパワーの2割程度」(第一生命経済研究所の西浜徹氏)との見方もあります。
 Q 制裁はほかにもありますか。
  ロシア中央銀行が各国に持つ外貨などの資産凍結です。制裁発表を受けてルーブルは一時30%暴落しました。凍結はロシアが外貨を売ってルーブルを買い支えることを封じる狙いで、ルーブル安はさらに進む可能性があります。ロシアの外貨準備の1割は日本国内にあり、日本の役割も大きいです。
 Q 制裁は効果があるのでしょうか。
  ロシアは肉や加工食品などを輸入に頼っており、ルーブル安がもたらす輸入品価格の上昇は、ロシア国民の生活困窮につながります。また、信用力の高い外貨を求めて取り付け騒ぎが起きるなど金融の混乱も生じています。日本の経済官庁幹部は「自国民からの信用を失うことが一番効く」として、ルーブル暴落がロシア国内の反戦ムードを高め、プーチン大統領を翻意させることを期待しています。

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