今度はチェーン状切断器具が断裂 汚染配管の撤去進まず 東電福島第一原発

2022年3月3日 18時10分
 東京電力は3日、福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)の1、2号機間にある高濃度の放射性物質で汚染された配管の切断作業で、切断装置が2日連続で故障したことを明らかにした。2月24日の作業開始から1週間たったが26分割する切断は全く進んでおらず、手順を見直す。

事故発生当初にベント(排気)で汚染した配管撤去のため、クレーンで下ろされた切断装置(中央)。この時点で切断器具が故障していた=2022年3月2日午後3時2分、東電福島第一原発で(山川剛史撮影)

 汚染配管が地上付近にあることで現場の放射線量が極めて高く、人が近づけない状況が続いている。今後予定されている1号機原子炉建屋をカバーで覆う工事などの障害になるため、東電は撤去を計画した。
 作業は、大型クレーンでつるした切断装置を遠隔操作して実施。1日は二つあるチェーン状の切断器具のうち一つが外れ、交換して臨んだ2日には同じ器具が断裂した。4日以降、模擬配管を使って切断時の器具の状態を調べる。
 東電によると、1日の故障前には配管の切断部分から出る切りくずが含む放射性物質の濃度上昇を示す警報が作動。2日も警報が鳴ったため、切断器具を通常よりも回転数を下げて切りくずが多く出ないようにしたものの、配管を3分の1ほど切った後に器具が壊れた。器具の摩耗が早まったことが原因とみている。
 配管は直径約30センチで1号機側が約65メートル、2号機側が約70メートル。26分割に切断し、撤去する。2011年3月の事故当初、原子炉格納容器の破裂を防ぐため、炉内にたまった汚染蒸気を外部に放出するベント(排気)に使われた。(小野沢健太)

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