「テントサウナ」が人気 下北にタウン出現 駅近で気軽に「ととのう」

2022年3月4日 07時03分

ずらりと並ぶテントサウナ(サウナタウン下北沢提供)

 サウナ人気が続く中、屋外で気軽に楽しめる「テントサウナ」に注目が集まっている。混雑を心配せず、自然の中や自宅の庭、どこでも持ち運んで「ととのう」ことができるのが魅力。ついには小田急線下北沢駅に、手ぶらで楽しめる「駅近」テントサウナのイベントも登場した。
 駅を降りて歩くこと数分。同線の地下化に伴う跡地開発で生まれた「下北線路街 空き地」に「サウナタウン下北沢」はある。目印はくすんだ水色で「サ」と書かれた標識。まきを使ったテントサウナが約十基並んでいる。

「下北線路街 空き地」のイベントスペースに登場した「サウナタウン下北沢」=いずれも世田谷区で

 記者も体験してみた。更衣室で水着に着替え、男女別で中に入る。各テントの定員は四人。サウナの聖地と呼ばれる静岡市の入浴施設「しきじ」の薬草を使ったスチームサウナのテントや、熱したサウナストーンに日本茶をかけ、蒸気を発生させられるテントもあった。
 まず「しきじ」を体験。室内は約九〇度で、まきストーブをL字に囲んだいすに十分ほど座ると、じわりと汗をかく。その後、テントの外の水風呂に一分つかり、デッキチェアに数分あおむけになって目をつむる。冷たい風が心地よく、全身の力が抜けてリラックスできた気分になった。これが「ととのう」? 街の喧騒(けんそう)が聞けるのもシモキタならではの楽しみ方だ。

サウナの魅力について語るプロデューサーの照沼進之介さん

 「銭湯などにあるサウナは今、どこも混んでいるので、いろいろな方法でサウナが楽しめることを伝えたかった」と話すのは、サウナタウン下北沢のプロデューサー、照沼進之介さん(29)。全国各地のサウナ施設を舞台にしたテレビドラマ「サ道」の制作に携わり、各地を取材するうちに、サウナにはまってしまったという。
 銭湯に併設されたサウナはお手軽だが、そもそも都心部は銭湯が少ない。そこで「サウナのない場所に、サウナの街を立ち上げる」をコンセプトに掲げた。利用者はサウナブームをけん引する二十〜三十代が多いが、五十代の地元住民の常連も出てきているという。

テントの中は、サウナストーブを取り囲むようにベンチが設置されている。定員は4人

 キャンプでテントサウナ経験がある会社員林昇平さん(36)も足を運んでいた。「子どもが小さいため遠出がしづらいが、駅前ならアクセスがよく、手軽に楽しめる。まきストーブの香りも良い」
 日本サウナ・スパ協会によると、国内でテントサウナが使われ始めたのは約十年前。同協会が北海道で使用したのが最初とされる。東日本大震災の被災地では、流木をまきストーブとして使い、利用者から好評を得た。その後、「サ道」を契機に若者中心に広がっていった。
 これまでのテントサウナはロシア製とフィンランド製が主流だったが、サウナタウンが使う「NOPPAsauna」は昨年六月に誕生した国産ブランドだ。ロシアのウクライナ侵攻で国産のニーズが高まっているらしい。開発した繊維製品会社「OLTAS」(岐阜県)によると、個人やキャンプ場はもちろん、ホテルからの問い合わせが多いという。夏季にプールと組み合わせ、コロナ禍での新しい体験の呼び水にする狙いだ。

入浴剤で着色した水風呂

 社長の白田雄介さん(42)は、自身もコロナ禍でサウナに行きづらく思い、テントサウナの開発を決めた。「反響は想定以上だが、後発ブランドも想像より早く出てきた。人気の裏返しでしょう。一過性のものではなく、外で楽しめるサウナが定着してほしい」と話した。
 サウナタウン下北沢は21日まで。90分で男性2500円、女性2000円。別料金で貸し切りも可能。予約チケットはローソンチケットで販売。
文・山下葉月/写真・隈崎稔樹
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