「フリーランスユニオン」発足へ ウーバーイーツ、ヤマハ、ヨガの労働組合「権利を守る力に」

2022年3月4日 21時15分
 ウーバーイーツの配達員らでつくる「ウーバーイーツユニオン」など個人事業主(フリーランス)が加盟する3つの労働組合は4日、フリーランス同士が連帯するための組織「フリーランスユニオン」を4月にも発足させることで合意した。不安定な労働環境に置かれている人が多いフリーランスの権利を保護するため、政府に政策を提言する。(池尾伸一)

フリーランスユニオン準備会の立ち上げを発表するウーバーイーツ配達員や音楽講師ら=4日、東京・永田町で


 ほかの2労組は、音楽講師らによる「ヤマハ音楽講師ユニオン」、ヨガのインストラクターらの「ヨギーインストラクターユニオン」。いずれも企業傘下で個人事業主として働いている人たちがつくった労組。
 フリーランスは、新型コロナ禍で料理宅配の需要拡大などを背景に急増している。だが、企業との雇用関係がないため、最低賃金や労働災害保険などが適用されない。政府による保護策づくりも先進各国に比べて遅れており、一方的な契約打ち切りや報酬減額にさらされることも多い。
 「フリーランスユニオン」は、任意団体として発足させる。現場で働く人たちの経験をもとに、フリーランス保護法制で先行する欧州や韓国など海外の取り組みも参考にしながら、政府に保護策を提言する。
 フリーランスでも労組をつくり企業と団体交渉できるが、実際には労組に加盟している人は少ない。フリーランスユニオンはほかの企業傘下で働く人たちとも連携し、「組合の組織づくりなどノウハウを助言し、権利を守るための力になりたい」(ヤマハ音楽講師ユニオンの大山湧希ゆうき執行委員長)という。

◆「声が反映されないと命にかかわる」

 フリーランスユニオンを発足させる3労組は4日、都内でシンポジウムを行い、コロナ禍で浮き彫りになったフリーランスで働く人に対する安全網の欠如について訴えた。
 ヨギーインストラクターユニオンのはなわ律子執行委員長は「会社は対等の立場というが、契約内容などは会社が一方的に決める」と強調。コロナで全面休講になったヨガ教室が再開する際、自身を含め組合幹部は担当教室をゼロにされ事実上の契約解除に追い込まれたという。「雇われている人もフリーランスも労働者という点では同じ。みんなが安心して働ける社会にすることが必要」と訴えた。
 団体交渉を拒否するウーバーを、東京都労働委員会に訴えているウーバーイーツユニオンの土屋俊明執行委員長は「私たちは自転車で車道を走っており、現場の声が反映されないと命にかかわる」と指摘。「会社が(団交拒否の)違法行為をしているのに、働く側が立証しなければならないのは法律的な不備だ」と主張した。
 一方、労働政策研究・研修機構の呉学殊オウハクスウ・統括研究員は、韓国では、フリーランスにも広範に労働災害保険や失業手当が適用されるようになっており、今年初めからは料理配達員も対象になったことを説明。「フリーランス保護では韓国の方が先をいっている」と話した。

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