「ウクライナに友人いないが…傍観できない」ヨーロッパ各地から義勇兵続々1万6000人

2022年3月5日 22時01分
4日、ロンドンの在英ウクライナ大使館前で、義勇兵の志願者(手前)に手続きを説明する大使館職員=加藤美喜撮影

4日、ロンドンの在英ウクライナ大使館前で、義勇兵の志願者(手前)に手続きを説明する大使館職員=加藤美喜撮影

 【ロンドン=加藤美喜】ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領の「国際義勇軍」の呼び掛けを受け、志願する人が欧州で増えている。英国ではトラス外相が義勇兵の選択を「支持する」と述べる一方、政府としては国民に渡航中止を勧告しており、混乱も生じている。
 4日、ロンドンの在英ウクライナ大使館前では、職員が志願者に渡航手順を書いた紙を見せていた。訪れた1人、アレックス・モリソンさん(47)は元英陸軍歩兵隊員。「ウクライナには親戚も友人もいない」が、「毎日SNSで流れてくる恐ろしい映像と、丸腰の女性や子どもたちの姿を見て、何もしなくていいのかと自問していた」という。
 退役後は富裕層のボディーガードをしていたが、妻子と別れ、「人生の意味を見失っていた」とも。「行けば帰って来られないかもしれず、悩みに悩んだが、やはり傍観して毎日を過ごすことだけはできないと昨日決断した」と話した。
 大使館の手順書によると、志願者は自力でポーランドの5空港の1つに行き、そこから案内されて陸路ウクライナに移動。150ある防衛部隊の1つか、新設の国際部隊に配属される流れ。大使館は志願者数を明かさないが、英紙タイムズによると、すでに数百人が申請を済ませ、元軍人が多いという。
 そのほか、欧州各メディアによればオランダ、フランス、ラトビア、ベルギー、ジョージアなどでも志願兵が相次ぐ。ゼレンスキー氏は3日投稿の動画で、国際義勇軍の呼応者は「1万6000人」と言及した。
 トラス氏は先月下旬、英テレビで義勇兵について「ウクライナの人々は自由と民主主義のために戦っている。自国だけではなく欧州全てのためだ。その闘争を支える人たちを私は完全に支持する」などと賛同。翌日、ウォレス国防相は渡航は「非常に危険だ」と述べ、政府としては容認していない立場を強調した。

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