来月「18歳成人」スタート バイト選び、気を付けて 労働条件確認し書面など保管

2022年3月7日 08時58分
 卒業や進学に合わせ、春はアルバイトを始める若者が増える時期だ。頭に入れておきたいのは、改正民法の施行を受け、四月から成人年齢が引き下げられること。労働契約上、十八、十九歳も成人として扱われるようになる。親の保護を受けにくくなる中で、低賃金、長時間労働といった違法な働き方やトラブルに巻き込まれないため注意が必要だ。 (熊崎未奈)

■「親同意」見直し

 労働基準法では、未成年者が労働契約を結ぶ際、条件が働き手にとって不利な場合は、保護者や労働基準監督署が代わりに契約を解除できる規定がある。四月以降、成人年齢が引き下げられると、十八、十九歳にこの規定は当てはまらなくなる。「ブラックバイト対策弁護団あいち」(名古屋市)のメンバーで、労働問題に詳しい青山玲弓(れゆみ)弁護士は「社会経験が少ない若者を、低賃金、長時間などの悪い条件下で働かせようとする業者が増える可能性がある」と危惧する。
 十〜二十代の学生から同弁護団に寄せられる相談は年間約三十件。退職を申し出たときに「違約金」を請求されたり、後任の紹介を強制されたりして「辞めたいのに辞められない」という相談が多い。これまでは相談者が未成年なら、契約の「取り消し権」を持つ保護者が交渉に加わることで解決する例がほとんどだった。青山さんは「親が何とかしてくれるではなく、本人が自分のこととして捉える必要がある」と話す。
 未成年者のアルバイトが多い企業の中には、十八、十九歳への対応を見直すところもある。焼き肉店や居酒屋を展開するコロワイド(横浜市)は現在、未成年者をアルバイトで採用する場合、保護者の署名と押印による同意を求めている。しかし、四月以降は高校生を除く十八歳以上は不要とする。広報担当者は「法律上は成人と同じ責務を負うことになる。責任感や主体性を持ってもらうため」と説明する。コンビニ最大手のセブン−イレブン・ジャパン(東京)も、親の承諾書を求める対象を十八歳未満に引き下げる予定だ。

■困ったら相談を

 そもそも保護者の同意は法律で義務付けられているものではない。保護者の理解を得るためや、トラブルがあった際の緊急連絡先の把握を目的に企業が自主的に求めている。ただ、それがなくなれば、何か問題があっても親が把握しにくくなる懸念はある。
 アルバイトを始める際、何に気を付けたらいいか。トラブルの多くは、時給が低い、勤務日が多い、休憩時間がない、残業代が支払われない−など。青山さんが勧めるのは「労働条件を書面で残すこと」だ。雇用主には本来、労働条件を記した通知書を採用時に交付することが義務付けられている。もらえない場合は、応募した際の求人票の写真や求人サイトのスクリーンショット(画面保存)でも有効という。
 求人を探す際は、賃金や労働時間などの条件が明確で、テスト期間に勤務日数を減らすなど学業に理解をしてくれるところを選ぶのが大事。働いてみないと分からない部分もあるが、そうした記述が求人票にあると安心だ。青山さんは「初めて社会に出ると、仕事への責任を強く感じやすい。成人年齢が引き下げられるとはいえ、困ったときは親や周りに相談してほしい」と呼び掛ける。

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