女性の国会議員、どう増やす? 衆院でわずか9.7% 与野党女性幹部に聞いた
2022年3月8日 06時00分
国会議員の男女比は、男性に偏っている。政党に男女同数の候補者擁立を促す「政治分野の男女共同参画推進法」が2018年に制定されたが、施行後初の昨秋の衆院選では、候補者の女性比率はほとんどの党で5割に程遠かった。全体の当選者では、前回の17年を下回る9.7%にとどまり、各党の姿勢が問われている。女性議員を取り巻く状況や増加に向けた取り組みについて、与野党の女性幹部に聞いた。(大野暢子、坂田奈央)
◆自民党幹事長代理・上川陽子さん 「なぜ志す」を政治塾で問う
―なぜ、女性議員は少ないのか。
「政治家は『私』でいられる時間はなく、心身ともにハードワークだ。家庭との両立や家族の同意など、特有のハードルも多い。自民党は多くの選挙区で既に現職がいる。代替わりの時が女性候補を立てる好機だが、地域の意向で実現しないこともある」
―自民党の取り組みは。
「党では女性を増やすための政治塾に力を入れ、議員も輩出している。私が志望者に伝えるのは、『なぜ政治を志すのか』という基本姿勢は揺らがないで、ということ。抽象的な『国民』ではなく、具体的な『あの人』のため、という気持ちをしっかりと持つことが必要。他人の問題を自分の問題として感じることのできる共感力がないと、長続きしない」
―自身も苦労してきた。
「初当選までに7年半かかった。米国留学を経験し、外交という専門を生かそうとしたが、通用しなかった。『地盤(後援組織)、看板(知名度)、かばん(選挙資金)』も全くなかったが、人の顔が思い浮かぶ政治の大切さに気づいた期間でもあった。志望者にはまず、『やめなさい。7年半できますか』と聞く。それでもやりたいなら、そこからが出発だ」
―政治参画を進めるため、女性のトップの必要は。
「国際社会では女性の首相や大臣が増えている。『女性初の』と言われない時代が来るのではないか。自分自身は、どのポストでもベストを尽くす」
かみかわ・ようこ 1953年生まれ。静岡市出身。米ハーバード大院修了。三菱総合研究所などを経て、2000年の衆院選で初当選。党女性局長などを歴任し、07年に内閣府特命担当相として初入閣。法相を3度務めた。21年から現職。衆院静岡1区、当選7回。
◆立憲民主党幹事長・西村智奈美さん「子育て・介護で支援チーム」
―女性議員を増やす意義は。
「多様性が進んでいない日本の社会で、象徴的に遅れているのが女性の政治参画。家事、子育て、介護など家族的な責任を負うことが多い女性の思いが、政治に生かされていない。『政治は男の仕事』という意識は、生活の悩みに寄り添わない、使いにくい社会制度につながっている」
―具体例は。
「保育や介護など、人に接する仕事は時間も手間もかかるが、『家の中でやっていた仕事で、その延長線』と思われている。だから、待遇も改善しない。保育、介護職は多くが女性で非正規。(賃金が)安くてもいいという価値観が残り、待遇改善が遅れてきた」
―立憲民主党の女性参画を促す取り組みは。
「党内に子育てや介護を担う女性候補者や議員を支援するチームを新設した。朝の街頭演説のために子どもを保育園に送れないことなどを想定し、託児費の補助や助言者の設置に取り組む。参院選では女性候補者5割を目指し、積極的に擁立作業に取り組んでいる。私たちは本気だ。女性が看板としてではなく、政策立案の中心にいる政党だ」
―地方時代も含め、議員歴は20年を超える。
「続けられたのは、野党議員であってもやりがいがあったから。野党の提出した法案が成立しなくても、政府や与党を動かし、提案した内容が実現することもある。困難を解決しようという熱意があれば、特別な才能はいらないと思う」
にしむら・ちなみ 1967年生まれ。新潟県燕市出身。新潟大院修了。大学講師や県議を経て、2003年の衆院選で旧民主党から出馬し初当選。外務政務官、厚労副大臣を務めた。17年に立民に入党。21年の代表選に立候補した。同年から現職。衆院新潟1区、当選6回。
おすすめ情報