入管収容から仮放免の外国人、7割が収入ゼロ 困窮で医療機関も受診できず NPOが生活実態調査【動画あり】

2022年3月8日 22時11分
 入管施設に収容後、健康上の理由などで仮放免された外国人たちの生活実態について、NPO法人「北関東医療相談会」が8日、都内で記者会見し調査結果を公表した。回答者のうち70%が年収ゼロ、84%が経済的理由で医療機関を受診できないなど、生活に困窮し、健康面でも追い込まれる状況が浮き彫りになった。
 調査は昨年10~12月、全国の仮放免者450人に質問書を送付、27カ国の141人から回答を得た。同会によると、不特定多数の仮放免者に生活実態を確認してまとめた調査は、行政や民間を通じて初めてという。
 回答によると、収入がなく、食料を確保できないとして、およそ3人に2人(60%)が食事を1日2食に制限。1日1食も6人に1人(16%)いた。「1回分の食事を2回に分け、2日分にしている。おなかがすかないよう水を飲む」(20代男性)などの回答もあった。
 借金がある人は6割、月額1万~6万円の低家賃の家に住む人は7割を超えた。家賃の滞納歴がある人も目立った。
 同会の大沢優真さんは「就労許可を出すことが大事。働けないから食料なく生活が営めない。就労許可が仮放免の生活を維持するために大切だ」と指摘した。
 また同会の長沢正隆事務局長は「入管施設で病気があると診断されていても、仮放免時に保険証が出るわけではない。もともと金のない人が、保険適用なしで治療費を払えるわけない。保険制度を早急に適用してほしい」と話した。

厚労省で記者会見し、仮放免の条件について書かれた文書を示すミョーチョーチョーさん=東京・霞が関で


 ミャンマー出身のロヒンギャ族ミョーチョーチョーさん(36)は、06年に来日し難民申請するも認められず、13年に仮放免。両親と弟(29)は、弾圧を恐れ18年からバングラデシュの難民キャンプに逃れたが、2月6日、父親は病気で死亡した。
 会見でミョーさんは「仮放免から仕事できず、自由に動けない。父親の治療費も葬式代も払えなかった。こんな平和で安全な国で自分らしく頑張っていきたい。仕事をして家族の面倒を見て他の人助けたい。仮放免の人が生きていけるようなビザを出してほしい」と、涙ながらに訴えた。
(望月衣塑子) 

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