<新型コロナ>5~11歳ワクチン、接種率は1%未満…米国でオミクロン株への入院予防効果示す研究結果も

2022年3月13日 06時00分
 5~11歳への新型コロナウイルスワクチン接種が3月から本格化している。ただ内閣官房の11日までの集計によると、接種したのは2万3158人で、接種対象の約700万人の1%未満。副反応を心配する保護者は少なくない。一方、米国でオミクロン株への入院予防効果を示す研究データが発表されたことなどから、小児科医は「特に、基礎疾患のある子は接種をしてほしい」と呼びかける。(原田遼)
 米疾病対策センター(CDC)は1日、米ファイザー製ワクチンを2回接種した5~11歳への入院予防効果が74%だったとする研究結果を発表した。接種14日後から約2カ月間の数値で、調査対象のほとんどがオミクロン株に感染していたとされる。ニューヨークなど10州の救急外来で受診した5~17歳約4万人を対象に、ワクチン接種者と未接種者を比較した。
 同研究では12~15歳の入院予防効果は92%、16~17歳は94%(ともにファイザー製ワクチン接種14日後から5カ月間)。12~17歳はワクチン効果の高いデルタ株感染者も含まれ、単純比較はできないが、厚生労働省予防接種室は「投与量の違いで、効果に差がでたのではないか」とみる。5~11歳向けワクチンは副反応への懸念から、有効成分が12歳以上の3分の1と少ないことが、差になっているとみられる。
 有効成分を減らしたためか、副反応の報告は少ない。CDCの調査では、5~11歳の心筋炎の副反応は100万回接種あたり男子が4.3件、女子が2.0件。12~15歳と比べると、それぞれ十分の一と半分。接種部位の痛みも5~11歳の方が少なかった。

◆医師「推奨するか迷っていたが、今後は勧めたい」

 東京都港区の小児科「クリニックばんびぃに」の時田章史院長は、CDCによる74%という入院予防効果を評価する。「オミクロン株への効果は一定程度あった。これまで小児に接種を推奨するかどうか迷っていたが、今後は保護者に勧めたい」と話した。
 長崎大の森内浩幸教授(小児科学)は「基礎疾患がある小児は一刻も早く接種をしてほしい」と語った。健康に問題がなければ「感染したとしても重症化はしにくいので無理して受ける必要はないが、ウイルスを家庭に持ち込む危険はある。同居者に重症化リスクを持つ方がいるかどうかなどを踏まえ、各家庭で考えてほしい」と話した。
 国内では8日時点で、10歳未満の感染者は約62万人。2~8日の1週間で約7万人増加した。10歳未満の重症者は少ないが、2月以降、全国で3人が亡くなった。うち1人は基礎疾患など持病はなかった。
 現在、5~11歳は新型コロナワクチン接種の「努力義務」対象から外れているが、予防接種室は「オミクロン株への有効性を示す研究報告がさらに増えれば、努力義務に位置付ける議論が始まる可能性もある」と語った。

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