日本のNGOがポーランドでウクライナ避難民支援 医薬品不足が課題、寄付募る

2022年3月15日 14時21分

支援物資の状況を確認する福井美穂さん㊨=いずれもポーランド南東部のフレベンネで(ピースウィンズ・ジャパン提供)

 海外人道支援を担う非政府組織(NGO)「ピースウィンズ・ジャパン」(広島県)が、ロシアの攻撃を受けるウクライナの周辺国で活動を続けている。団体の東京事務所からポーランドに向かった福井美穂さん(48)=東京都世田谷区=は、2月26日から今月6日まで避難民や支援の状況を調査。薬や物資に加え、「精神的に傷ついた人たちのケアも必要になる」と訴える。
 2日、ウクライナ国境に近いポーランド南東部のフレベンネ。福井さんたちが声を掛けた女性は、ともに避難してきた娘の話になると突然泣きだした。「子どもが砲撃の音を忘れられないみたい。どうしたらいいか分からない」。女性は町の支援拠点を訪れ、「眠れるようなハーブをください」と頼んでいた。
 280万人を超えたとされる避難民の多くは、徒歩や車などで西隣のポーランドに逃れている。人数が多く、国境を越える手続きに2日ほどかかるケースもある。何時間も歩いてきた避難民には大きな負担。福井さんは「けがや病気の人たちには耐えられないのではないか」と心配する。

ウクライナからポーランドに避難してきた女性と子どもたち(ピースウィンズ・ジャパン提供)

 福井さんがウクライナやポーランドのNGOに問い合わせたところ、医薬品不足が喫緊の課題になっているという。戦争の影響で供給が滞り、十分な量を確保できていない。フレベンネの母子のように心の傷を負った人も多く、精神的なサポートができる人材のニーズも高まっている。
 厳しい状況で、避難民の心を癒やしているのが隣国の市民だ。特にポーランドは同じスラブ語圏で言葉が通じるため、自宅に受け入れる人も多い。子どもが避難先の学校にも通いやすい。かつて福井さんが赴いた南スーダンやアフガニスタンなどと違い、周辺国の環境が整っていることも幸いして、「一般の方が自分ごととして避難民を支えている」という。
 砲撃音がトラウマ(心的外傷)になっている女の子は、ボランティアが持ってきた縫いぐるみのプレゼントを断った。「家に帰ればあるからいらない」。故郷に戻れる日は、いつ訪れるのか。欧州の隣人に支えられながら、母国に平和が戻るのを待っている。
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 ピースウィンズ・ジャパンは8日から、ウクライナ南隣のモルドバにスタッフ2人を派遣。同国を拠点に、ウクライナ南部に医薬品を届ける計画を進めている。活動費としてホームページなどで寄付を募っている。(佐藤航)

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