「汚いやり方だ」検察の捜査手法に不信の声 現金受領の議員ら一転起訴、参院選買収事件

2022年3月14日 21時50分
河井克行元法相

河井克行元法相

 2019年参院選広島選挙区を巡る買収事件で、河井克行元法相(59)=公選法違反罪で実刑確定、服役中=から現金を受領した34人について、検察審査会の議決を受けて一転、起訴した検察当局。在宅起訴された議員や検察OBからは捜査手法に不信の声が上がった。

◆「取り調べの実態、裁判で表に」

 「検察は克行氏さえ実刑にできれば、地方議員なんてどうでもよいのだろう。汚いやり方だ」。元法相から30万円を受け取り、今回在宅起訴されたある議員は憤る。
 元法相への捜査段階の取り調べで、議員は当初「買収のお金だと思わなかった」と主張した。「でも、いま考えると買収と思いませんか」「うまくいけば先生の名前は表に出ない」。検事に畳み掛けられ、買収と認める内容の調書にサインをした。
 元法相の公判の証人尋問では、受領側100人のうち94人が買収の趣旨を認め、元法相は有罪となった。この議員は「克行氏と同時に起訴されていればもらった側の証言も違ったはずだ」と強調。「取り調べの実態も含め、裁判で表に出したい」と語った。

◆「国民の信頼損なわれる」

 元東京地検特捜部検事の高井康行弁護士は「検察が検察審査会の議決に唯々諾々と従うなら、実質的に処分を決めているのは検審ということになりかねない。検察は民意を参考にするのは当然だが、主体性、独立性をなくしてはいけない」と批判。「このようなことが繰り返されると、検察に対する国民の信頼は損なわれるだろう」とくぎを刺した。
 今回検察側が再び不起訴にしても、検審が「起訴議決」をし、強制起訴となる可能性もあった。その場合、検察官役の指定弁護士に検察側の捜査記録が渡ることになる。元特捜部の別の弁護士は「全員不起訴にそれなりの理由があるなら、検察は不起訴を維持できたはずだ。記録を指定弁護士に見られるのが怖いのだろう」と話した。(三宅千智)

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