ロシアのニュース番組の生放送中に「戦争をやめて」 テレビ局員の女性が紙を掲げる 「偽情報」で訴追方針

2022年3月15日 19時33分
 ウクライナへの軍事侵攻を巡り、ロシアの政府系テレビ「第1チャンネル」で14日、ニュース番組の放映中に職員の女性が突然スタジオに入って「戦争をやめて」と訴えた。政府統制下にあるロシアメディア界では異例の抗議で、世界的に反響が広がっている。ロシアの捜査当局は「偽情報」を流布した疑いで女性を訴追する方針だ。

14日、モスクワで、ロシアのテレビ「第1チャンネル」のニュース放送中に反戦のプラカードを掲げるオフシャンニコワさん=ラジオ自由ヨーロッパのホームページから

 女性は、第1チャンネルの編集担当者マリーナ・オフシャンニコワさん。ソ連時代から続く看板ニュース番組「ブレーミャ」で、アナウンサーの背後に現れ「戦争反対」「プロパガンダ(政治宣伝)を信じるな」「(この番組は)あなた方をだまそうとしている」と書かれた紙を掲げた。番組は数秒後、無関係の病院の映像に切り替わった。
 会員制交流サイト(SNS)に15日午前、オフシャンニコワさんが事前収録した動画が公開。「この暴挙を止めるにはロシア人の力しかない。抗議デモに加わってほしい。恐れることはない」と訴えた。父がウクライナ人、母はロシア人だと明かし「ウクライナで現在起きていることは犯罪でロシアは侵略者だ」と説明。放送局社員としてこれまでプロパガンダの流布に加担し、野党弾圧を傍観してきた自身を恥じていると語った。
 オフシャンニコワさんは治安部隊に拘束され、タス通信によると、4日に成立した情報統制法に基づき訴追される見通し。同法はロシア軍の活動について、偽情報を拡散した場合は最大で禁錮15年を科すと定めておりプーチン大統領が命じたウクライナでの軍事作戦を「侵攻」「戦争」と表現することも禁じている。
 ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、「真実を伝えようと、(ロシア政府の)偽情報と戦うロシアの人たちに感謝する」と述べ、オフシャンニコワさんに謝意を示した。

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