<ぱらぱらじっくり 教育に新聞を>切り抜きコンクール 受賞作から(2)4人受賞の学芸大付属世田谷中

2022年3月15日 07時34分

◆投稿で発信 新しい価値

 新聞に読者から寄せられた意見文が載る投稿欄(東京新聞では「発言」欄)。教育に新聞を役立てるNIEの取り組みで、この「投稿」に力を入れる学校は多い。東京学芸大付属世田谷中学校(世田谷区)では、投稿だけではなく新聞切り抜き作品づくりも組み合わせることで「社会に目を向け、視野を広げる」学びをさらに進化させた。
 二年生のうち百二十五人が東京新聞主催の第十八回新聞切り抜き作品コンクールに応募。最優秀賞に遠藤真里奈さんの「なくそう生きづらさ」が選ばれ、優秀賞を森田花さんと上西(うえにし)遥さん、努力賞を包原維人(かねはらゆいと)さんが受賞した。
 その一方で生徒らは年間を通じて新聞各紙への投稿にも日常的にチャレンジ。本年度だけで百本近くの投稿が各紙に実際に掲載された。
 優秀賞の森田さんは、毎日新聞に昨年三月に掲載された自分の投稿の記事の切り抜きを作品の素材に使った。介護施設にいる祖母に会いたくても、新型コロナでなかなか会えなかった。その寂しさを投稿文につづった。コロナ禍を「自分事(ごと)」としてとらえて気づいた気持ちを、作品に盛り込んだ。「明るく表現したいと思ったから」(森田さん)祖母とツーショットのやわらかなイラストを添えた。
 最優秀賞の遠藤さんも東京新聞の発言欄に二本の投稿が載ったことがある。投稿の取り組みを重ねていたため「切り抜き作品で文章を書くときまとめやすかった」(遠藤さん)と振り返る。
 上西さんは重いテーマにも果敢に向き合って投稿に挑戦する。複数回、紙面に採用されたが「本当に自分が書いた意見でよかったか、書いた責任を感じる」とも。再考することが成長につながる。
 包原さんは「ニュースを読んでそのままにしておくだけでは何にもならない。まとめて発信して、いろんな人と意見共有すると自分の中でも考えが発展する」と話す。
 指導する秋山寿彦教諭は、生徒自身が新聞記事から気づいて選んだテーマを深掘りしていくこの学びに手応えを感じつつ、こう指摘する。「生徒たちが多くの情報を編集し、新しい価値を創造していることを体感できる活動だと思います。掲載された投書を授業で配布し、生徒相互で読み合うと生徒の意識は確実に変わります」 (東松充憲)

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