ダイコンだけじゃない 100%練馬のワインできました ブドウづくりに農家や市民が協力

2022年3月16日 06時32分

ねりまワインのラベルは公募で選ばれた=練馬区で

 農地面積が東京二十三区最大を誇る練馬区で、練馬で採れたブドウを練馬で醸造する「100%練馬産」のワインをつくる「ねりまワインプロジェクト」が進んでいる。区内のワイナリーを中心に農家やボランティアが栽培から収穫まで支える。「味で選ばれるワイン」を掲げ、「練馬大根」に続く特産品を目指す。
 「後味がすっきりしている」「飲みやすいね」。練馬区大泉地区にあるブドウ畑で十三日、「ねりまワイン」を味わうイベントが開かれた。
 特徴は同じ畑で育った多品種のブドウを混醸するフィールドブレンド。シラーやメルローなど四種類をブレンドした「ねりまルージュ」(赤)、シャルドネやピノグリなど十一種類をブレンドした「ねりまブラン」(白)、スパークリングワインが提供され、グラスワイン販売に長蛇の列ができていた。

完成したねりまワインを楽しむイベント来場者

 この日お披露目されたのは、昨年収穫されたブドウでできたばかりの若いワイン。ねりまワインプロジェクトを率いる「東京ワイナリー」(練馬区)の越後屋美和代表(45)は「一年目らしい味わい」と満足そうで「ねりまワインの成長を感じてほしい」と話した。

ワインの説明をする東京ワイナリーの越後屋美和代表

 プロジェクトは二〇一八年、越後屋さんが知り合いの農家や飲食店に声をかけて始まった。「もともとワインが好きで、ワインを通して練馬の野菜のおいしさを伝えたかった」
 大田市場で野菜の仲卸をしていた時、東京産の野菜のおいしさを知った越後屋さん。八年前に「東京ワイナリー」をオープンさせ、国産のブドウを使ったワインをつくってきた。
 プロジェクトでは、区内で目につくようになった休耕地を活用。ブドウ栽培や収穫、醸造を手伝うボランティア「ねりまワインファームメイト」も立ち上げた。現在は区内外の約八百人が登録している。

練馬の畑 東京ワイナリーのブドウ畑で、ブドウの木の表皮をはがす作業をする人たち

 同区大泉学園町のトマト農家の山口卓さん(51)は約四アールの畑を提供し、シャルドネやカベルネソービニヨンを栽培している。ファームメイトが定期的にブドウの木を手入れしており、山口さんは「ブドウは手間がかかるが、熱心に取り組んでいる姿に励まされます」と話す。
 ただ、練馬の土地の肥沃(ひよく)さは予想外だった。ワインのブドウは、やせた不毛の土地が適しているといわれる。練馬のブドウは甘くなりすぎるのが悩みの種だという。
 二〇年にねりまワインが初めて完成し、毎年イベントなどで販売しているが、ブドウの収穫量は約四百キロと決して多くはない。今後はさらに収穫量を増やし、多くの人に味わってもらいたいと越後屋さんは話す。
 「地産地消だからではなく、おいしいから選んでもらえるワインをつくりたい。ねりまワインならできると信じている」
 ねりまワインプロジェクトの問い合わせは=電03(3867)5525(平日午前11時〜午後4時、水曜休み)
 文・砂上麻子/写真・中西祥子、砂上麻子
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