「航空機から小石くらいの氷塊」羽田新ルート飛行中落下か 渋谷区のテニスコート、国交省が調査

2022年3月17日 06時00分
 2020年3月に運用が始まった羽田空港(東京都大田区)の新飛行ルートを降下中の航空機から今月13日、渋谷区内のテニスコートに氷塊が落下した疑いがあるとして、国土交通省が事実関係を調査していることが分かった。東京の都心上空を飛ぶ新ルートには、騒音や落下物への不安から住民が反対している。
 渋谷区によると、14日夕、区役所に匿名男性から「13日午後3時半ごろ、区内のテニスコートに航空機から小石くらいの氷塊が落下した」と電話があり、国交省に連絡したという。国交省は取材に、この時間帯に新ルートを航空機が降下したことを認める一方、「事実関係を調査中。航空機から落下したかは分からない」としている。
 新ルートは羽田空港への着陸航路として、新宿区や渋谷区などの上空を北西から南東に向け、並行する2本を設定。南風時の午後3〜7時に運用している。テニスコートは2本の航路の間にあり、JR新宿駅の南西約1.5キロに位置し、航空機は上空900〜1000メートルを通る。

昨年7月、羽田新ルートの是非を問う住民投票条例制定を求める署名活動中、JR大井町駅付近の上空を飛行する旅客機=東京都品川区で

 航空科学博物館(千葉県芝山町)元学芸員の種山雅夫さんによると、雨でぬれた滑走路を離陸した際に車輪に付いた水が凍り、着陸前に車輪を出した際に落下することがある。成田空港(同県成田市)は、着陸航路によって洋上で車輪を出して氷を落とすよう求めているという。種山さんは「氷塊の落下を完全に防ぐことは難しい。まず頻度を調べ、対策を講じるべきだ」と話す。
 新飛行ルートは危険で騒音も大きいとして、都内や、離陸時に航空機が通過する川崎市のルート直下の住民らが国に運用取り消しを求める訴えを東京地裁に起こしている。原告側は「航空機に付着した氷塊の落下が怖い」と訴えている。(加藤益丈)

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