ゼレンスキー大統領 「飛行禁止区域」の設定要求 米連邦議会でオンライン演説

2022年3月16日 23時16分
16日、米ワシントンの米議会に向けたオンライン演説に臨むウクライナのゼレンスキー大統領=AP

16日、米ワシントンの米議会に向けたオンライン演説に臨むウクライナのゼレンスキー大統領=AP

 【ワシントン=吉田通夫】ロシアの侵攻を受けているウクライナのゼレンスキー大統領は16日、米連邦議会でオンラインを通じ演説した。空襲の被害を訴え「ウクライナの上空を守る必要がある」と述べ、米欧でつくる北大西洋条約機構(NATO)に対し、ウクライナ上空を「飛行禁止区域」に設定するよう要求。民間人を含む犠牲者が増えている現状も訴え、直接的な軍事支援に消極的なバイデン米政権に翻意を促した。
 NATOがウクライナ上空を「飛行禁止区域」に設定すると、区域に入ったロシア軍機とNATO軍が交戦する可能性があるため、実質的には「参戦」を意味する。バイデン米大統領やNATOはこれまで「第3次世界大戦は戦わない」と、設定を避けており、代替案として浮上した旧ソ連製戦闘機の供与も「ロシアとの軍事的な緊張を高める」(米国防総省)として見送られた。
 ゼレンスキー氏は演説で、米国が攻撃を受けた第2次世界大戦時の真珠湾攻撃や米中枢同時テロを引き合いに「空から攻撃され、罪のない市民が殺されたことを思い出してほしい」と強調。ミサイル攻撃を受けたウクライナの映像を流し「ロシアの攻撃はウクライナだけでなく、人間の基本的な価値観への攻撃だ」と支援の必要性を訴えた。
 これに対し、バイデン氏は15日にウクライナへの兵器供与や人道支援など136億ドル(1兆6000億円)の緊急支援を盛り込んだ予算を成立させたほか、16日には8億ドルの間接的な軍事支援を表明する見通しで、ロシアとの直接衝突に発展しない形での支援実施で理解を求める考えだ。

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