<ミロ展 私の1点>(中)書道家・武田双雲さん 構図とフォルム 大胆

2022年3月17日 13時04分
 ピカソ、ダリと並ぶスペインの巨匠ジョアン・ミロと日本の相思相愛ぶりに注目した「ミロ展−日本を夢みて」(東京新聞など主催)が、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで4月17日まで開かれている。3人の著名人に、本展に出品されている作品について語ってもらった。
 本作品は一九六六年、ミロが初来日を果たした後に制作された作品と言われる。ジャポニスムブームの時期に生まれたミロが訪日を楽しみにしていたことは想像に難くない。当時日本の書道界も単に綺麗(きれい)な字だけでなく、創作美術としての書が盛り上がっていた。明らかにその影響を感じる作品で、黒の濃淡だけでなく滲(にじ)みも見られる。
 ミロといえばかわいらしい線質、フォルム、構図が印象的だが本作品は、書道で言う「筆勢」があり、身体全体を使ったような大きな動きがある。線の途中が膨らむところは書道の「かな」の世界で使われる技法でもある。そして構図とフォルムがあまりにも大胆。絵の具が下に垂れてもそれを気にせず書き進めている。書道家である僕はまずそういったところに目を奪われ、最後に黒い丸や赤と青でミロの世界に引き戻される。心揺さぶられる作品だ。

ジョアン・ミロ > Fundació Pilar i Joan Miró a Mallorca Photographic Archive©Successió Miró/ADAGP, Paris&JASPAR, Tokyo, 2022 E4304

 ※「ミロ展−日本を夢みて」は四月十七日まで東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催中。土日祝日、四月十一日以降は入場予約が必要。最新情報は展覧会公式ホームページへ。

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