コンテナ倒れ、タンク横ずれ 増える放射性廃棄物が地震でリスクに 東電福島第一原発

2022年3月18日 08時01分
 福島県沖で起きた震度6強の地震で、東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)では17日、2号機の使用済み核燃料プールで水位が低下し、東電が冷却を一時停止した。4号機原子炉建屋では鉄骨の落下も確認された。11年前から続く事故収束作業では、構内に仮設の建物と放射性廃棄物が増え続け、地震によりそれらが作業の妨げになるリスクも抱える。

2号機で使用済み核燃料プールの冷却を一時停止した東京電力福島第一原発=3月17日、福島県で(本社ヘリ「おおづる」から)

 東電によると、2号機プールには615体の核燃料を保管。17日午前零時ごろ、水位低下を確認し、手動で水を循環させるポンプを止めた。7時間半後に冷却を再開した。
 核燃料1542体を保管する5号機プールでは冷却が自動停止し、4時間半で復旧。同機タービン建屋2階の3カ所で火災報知機が作動したが、異常は確認されなかった。
 4号機では使用済み核燃料を取り出すために建屋上部にかぶせた大型カバー内で、梁の一部とみられる鉄骨(長さ約5.6メートル、重さ約200キロ)が落下。けが人はなく、鉄骨を固定していたボルトが破断していた。
 約1000基ある処理水を保管するタンクでは、85基で横ずれが確認され、一部は放射能濃度が比較的高い浄化途中の水が入っていた。タンクは損傷を防ぐために地面に固定しておらず、ずれは想定内だが、タンク間をつなぐ配管が損傷すれば漏えいの恐れがある。昨年2月の地震でも多くのタンクがずれ、今回も複数地点で漏水が見つかった。
 敷地内に野積みされた放射性廃棄物入りのコンテナの転倒も相次いだ。少なくとも6基が倒れ、使用済み防護服や鉄くずが外に出た。コンテナは約8万5000基に上り、無計画に積まれたものも多い。これらの点検や中身の回収でも、作業員らは被ばくを強いられる。
 放射線量が高い原子炉建屋周辺では、地震リスクがさらに大きい。1号機では遠隔操作のロボットが格納容器内に入り、溶け落ちた核燃料(デブリ)などの状況を調査中。建屋内では地震後、放射性物質の濃度が一時的に上昇。警報が鳴る水準には至らなかったものの、調査は中断された。
 1、2号機間にある高濃度汚染した配管撤去も作業が止まった。現場は屋外で最も線量が高く、人が近づけない。遠隔操作の切断装置をつり上げるクレーンは重さ800トンあり、高さ100メートル以上まで到達。こうしたクレーンが周辺に計3基ある。地震の影響は確認されていないが、高線量下の過酷な環境に重機や仮設の構造物がひしめき合っており、倒壊すれば甚大な被害につながる。
 今回の地震では、廃炉中の東北電力女川原発1号機(宮城県)でもプールの冷却が停止し、17日午前零時半ごろに復旧。いずれも稼働していない東北電東通原発(青森県)や日本原子力発電東海第二原発(茨城県)では異常はなかった。(小野沢健太)

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